
不登校の兄をうらやましがる小1女子
小学4年生の兄が不登校です。下の子が1年生になり、はじめは、普通に学校へ行っていましたが、2学期になってから、「お兄ちゃんだけずるい」と言って、時々休みたがるようになりました。上の子は繊細で、いじめられるようなこともあり、学校へ行けなくなったのですが、下の子は楽しそうに学校へ行っています。休んでいいよと言うのも躊躇します。 なんと言ったら良いのか困っています。

『ずるい』の言葉の裏に隠れている気持ちを探ってみる
私は地元で仲間とフリースクールをやっているのですが、フリースクールに通っていらっしゃる方から、そうした話を聞くことがあります。そのお宅は、お兄ちゃんは本当は行きたいと思っていることや、心が元気じゃないという話をし、下のお子さんにも無理しなくていいよと話したと言っていました。一時、休むこともあったけれど、今は行くようになったとのことでした。うちの下の子も同じで、今思えば「自分に注目して欲しい」「僕も頑張ってる!」と認めて欲しかったんだと思います。もしかして「ずるい」の言葉の裏にそんな気持ちが隠れているかもしれません。 「疲れちゃったのかな?休んでもいいよ。」「今日はお母さんとゆっくり過ごそうか」と、じっくり向き合って過ごすことで、意外な気持ちに触れることが出来るかもしれません。
話をじっくり聞きましょう
学校は楽しいことばかりじゃない。しんどいこともたくさんありますよね。しんどい時、ふと下のお子さんは、私だって休みたいなぁ…と思うことでしょう。私自身の話なのですが、一人っ子で、甘えん坊でした。でも親に心配させてはいけないと思い、学校で嫌なことがあってもなかなか言い出せず、明るく過ごしていました。ある日、その憂鬱は身体に出ました。低学年で自家中毒を起こし、高学年では、原因不明の頭痛で入院したこともあります。普段明るい子は、周りが求めているその明るさを保とうとします。つらいことも、周囲に心配をかけたくないため、笑顔で我慢しがちです。どうか「学校はどう?何かあったらなんでも教えてね」と声をかけてください。 話してもいいとわかれば、安心できると思います。この機会に、たくさんお話してみてください。
子どもの好きなものに寄り添う
私には、息子の不調に対応している間に、娘までも不調に陥ってしまった経験があります。親御さんのお気持ち、お察しいたします。「お兄ちゃんだけ、ずるい。」の一言、よくぞ発してくれたと思います。この言葉と今の様子から、お嬢さんの心のエネルギーが減ってきているのではないか、と感じます。そこで、心のエネルギーを回復するために親ができることの一つを提案します。『子どもの好きなものに寄り添う』ことです。お嬢さんは、何が好きですか?どんなことに興味をもっていますか?私の娘は、アニメや物語の創作が好きだったので、そばでよく、その話を聞かせてもらいました。大人になった娘が「お母さんが私の興味を肯定してくれたのが嬉しかった。」と言いました。好きなものに寄り添うことは、子どもの心のエネルギーの回復に繋がるのかもしれないと思いました。 お嬢さんに寄り添う時間が、お母さんにとってもホッとできる時間になるといいですね。
何がしたいのか聞いてみましょう
我が家でも、妹が兄のしていることを羨ましがることがよくありました。 相談者さんの場合は、「学校を休みたい」ということで、躊躇されているのですね。一年生、学校にも慣れてきたことでしょう。そして、夏休みが楽しかったこともあり、たまには、お兄ちゃんのように家で過ごしてみたいと思ったりしているのかもしれません。そこで、「そっか、お兄ちゃんだけずるい」と、思っているんだね。「今日は休みたいんだね。休んだら、どんなことをしたいの?」と、お嬢さんが休んでやってみたいと思っていることを、すべて聞いてみてはいかがでしょう?さらに、「やってみたいこと、全部できたら、どんな気分になる?」など、否定せずに関心を持って聞きましょう。お嬢さんも、話し、聞いてもらえることで、気づくこともあると思います。子どもの思いに触れ、親子の対話を楽しめますように!
親として複雑な心境ですね。お嬢さんは、何を「ずるい」と思っているのでしょうか。
そして、どうしたいのかを言葉にできるようサポートしていきましょう。もし、楽しそうに学校に行っているから行けるはず、と、親が思っていたら、それは、一旦脇に置いてみてください。そして、感じていること、思っていることを聴いてみましょう。気持ちを言葉にすることで、子どもは自分の本音を知ることができます。不安や不満があれば、それを解消する方法を一緒に考えます。その上で、できる範囲で、子ども自身に選ばせてあげることが大切です。自分で選択できると分かると、安心し、しっかり考えて決めようとします。親は、子どもに選択権を与えることに懸念を抱くかもしれません。子どものために、何が大事かを軸に考えてみてくださいね。ハートフルコーチの様々な経験からのアイディアを参考にしてみてください。
養成講座初級
養成講座では参加者の個別の困りごとに応じて解決策をアドバイスします。問題がより複雑にならないよう早めの対応をお勧めします。