中1男子 学校へ行けなくなりました
入学してすぐにコロナウイルス感染防止のために休校。 登校するようになって、間もなく元気がなくなり、休みがちになりました。 学校でいじめがあるとか、特別な何かがあったわけではないようです。 このまま不登校になってしまうのではないかと心配です。
小学生から中学生の間には大きなハードルがいくつもあります。
おまけに今年2020年は新型コロナウイルスという、世界中未体験の大型ハードルが加わりました。学校へ行けなくなったとしても、まずは優しく受け止めるところからスタートしましょう。
そしていくつかの観点から子どもの目線に立って考えてみましょう。
■学校という場
中学校では校則が示され、制服があり、教科ごとに先生も変わり、「できる」という前提で様々なことが進められるようになります。変化が好きな元気な子どもでも、戸惑うことが多い時期です。
ましてや変化に対応するのが難しい傾向がある子どもは、他より大きなストレスにさらされる可能性があります。
■子ども自身に起こる変化
いわゆる思春期と呼ばれる時期を迎えるこの年齢は、本人にとっても大きな変化の時です。男女共に大人に向かって、心身ともに成長します。
ところが脳の発達はまだ終わっておらず、自身の言動を制御する大人の脳はまだ未完成です。反発して悪態をつくのに、次の瞬間には親に甘えてくる。
親には理解不能な言動があるかもしれませんが、実は子ども自身も何故と問われても答えることはできない状態です。
■親に起こる変化
親に変化はないでしょうか。実はあります。もちろん無意識ではありますが、「もう中学生なんだから」とケアする手を控えることはないでしょうか。
ところが、この親がこれまで何かにつけて干渉する親だったら、子どもにしてみれば突然放り出されたという体験になるかもしれません。
放り出しておきながら、勉強や成績に関してはこれまで以上に干渉してくるとしたら、子どもが混乱しても仕方がないです。
学校には適応できない、家も安心できない、となると子どもは自分にこもりがちになります。
日頃から子どもをよく観察しましょう。行きしぶりが始まったら、よく気持ちを受け止めて話を聴きましょう。
そして、最初に「今日は行きたくない」と言ったその日に、「じゃ、休もう」ときっぱり受け入れましょう。実はそれだけで、安心して翌日から何もなかったかのように登校する子もいます。
特に過剰に適応しようとし、「行かなきゃならない」と自分に圧をかけすぎる子どもは、登校しないことを選べる事実にびっくりすると同時に、落ち着いて現状を見ることができます。
そんな子を無理に行かせようとするとかえって不登校のもとを創ることになります。もともと変化への適応が下手な子は、しばらく元気になるまで休ませた方がいいでしょう。
親は子どもの未来を心配してきちんと学校へ行ってほしいと思いますが、子どもは今を生きています。今が苦しいとしたら、その苦しさを避けてもいいと親が認めることです。
その間は、よく寝て運動をして、規則正しく生活できるように話し合いが必要です。
休んで元気が戻ってきたら、「学校へ行きなさい」ではなく、生きること、生活するということ、父がどうやって生きているか、母が何を考えて生きているか、人生を楽しむということ、学ぶということについて
充分話し合いましょう。結論を出すための会話ではなく、子どもの考えを育てるための会話です。日々子どもは成長しています。
親が焦って何とかしようとしない限り、見えてくるものがあるはずです。この間、親は選択肢を考え、調べましょう。
今見えているのはふたつ。ひとつはこのまま家にいる。もうひとつは学校へ行く。それ以外の具体的な可能性を5つぐらい上げるころには、親も大きく変化しているはずです。