12歳の息子のうそを心配しています
最近、反抗も激しく、そんな時期かとは思いますが気になります。していない宿題をもうやったと言ったり、持っていないものを持っていると言ったり。今は問題にはなっていませんが、周りからウソツキと思われるのではないかと心配です。
思春期の入り口で、彼らのいろいろな変化に、親は不安を感じます。特にうそは「見逃すと大変なことになるのではないか」と身構えて、必要以上に厳しく対応してしまうことも少なくありません。ですが、厳しく接すればいいとも限りません。
人のうそには、大きく分けて三つの理由があります。一つ目は自分の利益のためにつくうそです。もし子どもが、自分の利益のために人を騙そうとしたなら、親は毅然とした態度で、はっきりと「うそはいけない」と伝える必要があります。たとえば、お釣りをごまかして自分のものにしたなら、そのことで親がどんな気持ちになったのかを伝え、「お金は返してもらう必要がある。そして、うそをつかれると、嫌な気持ちになる」ということをはっきりと伝えましょう。
二つ目は、身を守るためのうそです。子どもが何かから自分の身を守ろうとしてうそをついたなら、まずは「身を守らなくてはならない状況がある」ということを理解しましょう。そして、うそではなく、状況のほうを先に解決します。
たとえば、宿題をせずに問題集の答えを丸写しした理由が、「早くやらないと親に叱られるから」であった場合。厳しく叱るのは逆効果ですね。まずは、親に向かって「親に叱られるのが怖い」と正直に明かしてくれたことについて感謝しましょう。その上で、「あなたの仕事である宿題に口出しをして悪かった」と非を認め、「でも、丸写しでは宿題の意味がない。口出しをしないようにするから、自分のペースできちんと取り組んでほしい」と穏やかに伝えます。
三つ目は、自分を大きく見せるための嘘です。持っていないものを持っていると言ったり、やったことのないことをやったことがあると言ったり。親としては、普段から子どもを認めているかを振り返ってみましょう。ほめられることの少ない子どもは、自分を大きく見せる行動に走りがちになります。
そのうそが、どんなうそかを見極めるためには、普段から子どもの様子を観察することが重要です。その子の気質や、暮らしの状況によって、対応は変わってきます。思春期にもなれば、子どものほうでも、親にばれると分かったうえでうそをつくことがあります。これは大人同士のコミュニケーションと同じで、親はもう、何もかもを監督して指導する立場ではないのかもしれません。親子の間に十分な信頼関係があれば、親が見逃してくれたと気づきます。まずは良く子どもを観察し、知ることです。