「僕なんか」と自分を卑下してばかりいます
中一の息子の自信のなさに困っています。
おとなしい性格なのかと思いますが、ふたことめには「僕なんか」と言って、新しいことに挑戦しようとしません。
自信をつけさせたくてほめて育ててきただけに、親として戸惑いを感じます。
親は子どもに「こんな子になってほしい」と理想の子ども像を描くものです。ですから、親の思ったように育たないと、どうしていいかわからなくなりますね。
まずは、親がどう育ってほしかったということ以上に、お子さんがどんな子かを理解する努力をしてみましょう。 誰もが気付いていることですが、私たちはそれぞれ違った気質を持って生まれてきます。 そして、どの気質にも裏表があります。 好ましい資質は反対側から見れば、欠点にもなりえます。好奇心旺盛な子は、大きくなっても新しいことにどんどんチャレンジするようになるでしょう。 ところがそんな子に限って、落ち着きがないと思われがちです。 おっとりした子は、優しいいい子と言われますが、頼りないと思われるかもしれません。 大切なことは、そのどちらに焦点を当てて親が子どもと接するかということです。 好ましい側面に焦点を当てて子育てすれば、子どもは「自分は好ましい存在である」と思って育ちます。 欠点に焦点を当てて育てれば、子どもは「だから自分はダメなんだ」と学ぶかもしれません。
さて、「ほめて育てた」ということですが、それはまた別の要素です。 子どもはほめて育てろとよく言われますが、実はほめるというのはたいへん難しいものです。 特に出来栄えや資質をよくほめられた子の中には、自分はそれ程に親の期待を満たせないかもしれないという不安が芽生える場合があります。 「できる、できる」と親の期待を聞き続けていると「自分はそれほどできるわけじゃない」というところに落ち込んでしまうのです。 それが自分を卑下することにつながるというのはあり得ます。
よくお子さんを知ることから始めましょう。 ほめようとするより、ただ事実を言葉にして声掛けをしようと思ってみてください。 「たくさん食べたね」「洗っておいてくれたのね」「今日は早いね」。ここに親の笑顔があれば、子どもは受け止められたと感じ、落ち着いていきます。 まずはあるがままを受け止めてみましょう。