高1男子、スカートがほしいと言います
4月から高校生になる息子がいます。私立高校へ進学することになり、先日制服採寸をしました。ジェンダーレスとのことでしたが、男子の制服採寸会場にはスカートはありませんでした。 息子はズボンよりスカートを希望していると、当日打ち明けられ、戸惑ってしまいました。 女の子になりたいのではなく、なぜスカートはダメなのか。との質問に、うまく回答ができず、未だにスカートが欲しいという息子にどう接していいかわかりません。
本当に世の中変わってきましたね。かつては、男子がスカートはきたいなどと言うと「バカなこと言うもんじゃない」と、その希望は押さえつけられたものです。
そんなことが世間に知られることを親は恥に思いました。なので、スカートをはきたい男子は自分が恥じるべき存在であると感じて生きていたと思います。
私の娘が高校生だったころ、20年近く前のことですが、性同一性障害のことが世間で話題になりました。よく私たち親子の話題にもなりました。その時期、私は考えました。
もし、いつか娘が自分の愛する人として女性を連れてくるようなことがあったら、私はそれを受け入れることができるだろうかと。
まず、私が受け入れることができるか、人の目は、孫に会えるのだろうか、などなど。まあ、何があっても受け入れようと心の準備をしました。
なのに、娘が連れてきたのは、イケメンイクメン男子。今私は孫と遊ぶのに忙しい日々です。
世の中で起こることの全ては、自分の身の上にも起こりえることの数々です。他人事として眺めるだけではなく、もし自分にそれが起こったら、私はどう対応するだろうと、
心の準備をするのは親としてなすべきことのひとつかもしれませんね。
高一男子は、女の子になりたいわけではなく、スカートをはくことに興味があるとのこと。親は何に戸惑うのでしょうか。まず、その戸惑いの数々をあげてみましょう。
男子がスカートをはくなんて変?何を基準にそういうのでしょうか。ヨーロッパのかの国は、スカートが男子の正装です。でも、日本はそうじゃない。
人目を気にしていますか?気にしているのは誰でしょう。本人に聞いてみてください。人目を気にしないかどうか。人からどう思われるかは気にならないかどうか。
本人が気にしないというなら、次は親がどう思うかです。親が人目を気にするとしたら。 ここは、親自身が自分と向き合い、何が大切かを見極めることが求められます。
子どもとよく話し合って、子どもの試行錯誤を応援するか、そんな恥ずかしいことはやめなさいと押さえつけるか。どちらかの選択になりますね。
「なぜスカートはダメなのか。との質問に、うまく回答ができず、」 回答しなくていいのですよ。「なんでだろうね」と話し合うネタにすればいいのです。
何故学校の男子採寸会場にスカートがないかの答えをあなたは知りませんよね。校長の意向か、制服業者の「男子たるもの」と言う思い込みか。話し合いましょう。
親のためらいも話してもいいと思います。
「よその子だったらびっくりしてしまうけど、あなただったらびっくりじゃすまないわ。」「でも、あなたのこと大好きだから、あなたがそうしたいなら受け入れる努力をするのかな?」など、
仮説でかまわないので、話し合うことです。「何故スカートはダメなの?」と聞いてくれたことがいい機会です。話し合うきっかけを彼の方で作ってくれたのです。
そして、親のためらいを押し付けないよう心がけましょう。お子さんには考える力がありますから、親が一緒に考えてくれたら、自分が求めるものを見つけやすくなります。
ところが「ダメ」と押さえつけると、押さえつけられたという理由だけで、ダメなことをやりたくなります。思春期ってそんなときです。親としての成長の時ですね。