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人前で緊張し、固まってしまう6歳の長男

子どもの晴れ舞台当日、子どもの肩の力が抜ける様な親の言葉がけを教えてください。ピアノの発表会や、お遊戯会、人前で披露する事が、人一倍緊張し、固まってしまう6歳の長男がいます。本人も練習では出来るのに、本番では忘れてしまうと、、自信が持てない様で…特にセリフを言うのが苦手みたいです。 本人の苦手意識が克服し、今後の自信の糧に変えられる様な魔法の言葉、ありませんか?

習うより慣れよはいかが?

練習では出来るのに、本番で力を出しきれない・・・悔しいし残念ですよね。なんとかしてあげたい親の気持ちよく分かります。人前で緊張するという人は沢山いると思います。私もそうです、お母さんご自身はどうですか?人前で緊張するのは、本人が‘よーし上手くやるぞー!’と前向きに意気込んでいる証拠、親としてはぜひその気持ちを大切に応援してあげてください。魔法の言葉ではありませんが、「習うより慣れよ」というように少しずつ晴れの場に慣れて行けるような工夫なら私たち親にもできることがあると思います。例えば、最初はお母さんの前でセリフを言ってみて、次は家族みんなの前で練習してきたことを披露してみるとか。また、普段から家族やお友だちとの集まりのなかで、子どもにスポットが当たるような場面をつくってお話しや特技を披露する機会を増やしてみることも出来ると思います。うちでは、毎年子どものお誕生日に家族の前で子どもへのインタビュー動画を撮っています。「〇歳になっての感想は?」とか「今一番の仲良しは誰?」など家族が記者のように質問をして、子どもはカメラの前で質問に答える。遊び感覚で楽しく練習の機会をつくってみるのはどうでしょう? 成長とともに少しずつ「緊張する自分」にも慣れていってくれると思います。

物理的な面と精神的な面の両方から安定を図ってみる

歳を重ねた私のようなおばさんでも、いまだにとても緊張します。私にも、魔法の言葉が欲しいです(笑)。お子さんには、魔法の言葉ではありませんが、緊張は自然な反応だということを教えてあげて下さい。そして、まずは物理的な面から…。緊張すると呼吸が浅くなり、体が固くなります。なので、まず深呼吸をする。そして、一度肩にギュッと力を入れてから、フッと力を抜くと余分な力が抜けます。次は音楽。スポーツ選手が試合前に音楽を聞く姿を見ることがありますよね。あれで平常心を取り戻したり、気持ちを鼓舞させているようです。お子さんの好きな音楽は何でしょうね。あとは、アイテムです。普段からこれを持つと落ち着くというものを、身に付けたりします。これらを取り入れつつ、精神的に楽になれそうな言葉をかけてあげたいですね。私はよく、終わったら何しよう?と後の楽しみで、緊張を紛らわしたりしました。また、お子さんはまだ6歳とのこと。何か面白いおまじないを探して、やってみるのも良いかもしれません。やってみて「やっぱり緊張した」となれば「じゃあ、今度はどんなの試してみる?」と、次からはそれを試すことを楽しみにしたりして…。 いずれにしても、その体験の全てがプラスと思える体験になると良いなぁと思います。

小さな自信を思い出してもらう

きっとお子さんは心配性な性格なのでしょうね。私は塾講師をしておりますが、心配性な生徒は必ず毎年います。「模試の偏差値が下がったから志望校も落ちそう…」「倍率が上がったらどうしよう…」などあまり良くないことを思い浮かべます。「このまま勉強すれば大丈夫だよ!」と言っても中々伝わりづらいんですよね…。そこで私は過去を振り返ってもらい、本人ができたことを思い出してもらうようにしています。「この夏休みに一生懸命勉強して偏差値上がったじゃない?」など本人の成功体験を思い出してもらい、自信につなげます。お子さんであれば、ピアノの発表をする前に「週に○回も練習して、先生の前でできるようなったよね」や「5歳の時のお遊戯会は失敗しなくてできたよね」など。発表だけでなくても「自転車に乗れた」「滑り台を一人で滑れた」など、本人ができなかったことをできるようになった成功体験を思い出してもらいましょう。ここでのポイントが、お子さんが思い出せなかったら親御さんからヒントを伝えて、お子さんに思い出してもらうこと。そして「そうだよね、できたよね」とその自信を共有すること。その小さな自信が少しずつ大きくなります。 未来の「できる」より過去の「できた!」を共有してみませんか?

がんばってきたことが宝物!

お子さんが力を発揮できないのをみるのはもどかしいですよね。保育士の私は、行事の度に、それまでの子ども達の姿を思い返します。本番前に、がんばって練習してきた事・できるようになった事などを伝えたり発表してもらったりしています。そんな話をすると、がんばっている自分に気付き、子ども達は笑顔になります。本番で成功する事だけに目が行ってしまうと、間違えた時に、自分はできなかったという思いだけが残ってしまいます。でも、本番でうまくできた事も自信につながりますが、過程を認められる事は、本番の結果に関わらず、自信を持つ事ができます。まずは、練習してきた事を親子で話してみませんか。がんばったことやできるようになった事を一緒に探し認めてあげてください。最初は少ししか思い出せなくても、意見を言わず、話を聴くだけで大丈夫です。その中で、聴いてもらえると感じたら、具体的に思い出し、色々話してくれるようになるかもしれません。もし、うまくいかなかったとしても、自分を認められる事で、練習する過程も楽しめます。そして、次はどうしたらうまくいくか、考える力ができると思います。なかなか考える事ができない時は、励ましたり一緒に考えたりしてみてくださいね。がんばってきたことが宝物!そんな気持ちでお子さんを応援してあげてください。 その気持ちから、魔法の言葉が生まれるかもしれません。

どんなあなたでも愛らしい

一生懸命練習して頑張っているお子さんの姿を想像すると、とても微笑ましく感じられます。しかし、どこかで本番では忘れてしまうという経験があったのでしょうか?その時のことを嫌な思い出としてではなく、もっと広い視野をもちながらお子さんと話してみるのもいいかもしれません。私の娘が通った幼稚園は、お遊戯会に力を入れていました。大きなステージで衣装もきらびやか、振り付けや台詞もとても難易度の高いものでした。当時は見ている私たちもヒヤヒヤしながら、親の方が子どもより前のめりに観覧していたのを思い出します。今その当時の親の立場から離れて思うことは、幼稚園でのお遊戯会は、どんなことになろうとも「可愛い!」の一言ですむということです。本番に忘れてしまうこと、セリフを言うのが苦手と悩んでいる姿も間違えてしまってもそれがまた可愛いらしい。練習では出来ているのですからそれを信じて、もし声をかけてあげるなら「どんなあなたでも、見ている人は喜んでいるよ。めいっぱい楽しんでおいで。 あとでお話聞かせてね」と言ってあげたいなぁと思います。

ポイント

晴れの舞台での緊張、これはきっと誰もが経験していることですね。世界の晴れ舞台で闘うアスリートが、試合前に音楽を聴いたり、ルーティンや縁起物と共に試合に臨むなど、自分の持っている力を発揮するための工夫を見かけることがよくあります。6歳のお子さんにも何か本人にとってお守りになるような何かがあると良いかもしれません。そして、それが子どもにとってとても大きな存在である親からのはたらきかけであるならば、何より心強いと思います。「○○くんなら大丈夫だよ。」とか、ぎゅっと抱きしめて「ママのパワーも入ったから安心してね。」など、、、何が一番安心できるか本人に聞いてみてはいかがでしょう?そして、大切なのは上手くいってもいかなくても、誰よりも親が子どもに寄り添っていくことです。たとえ、セリフを間違えたとしても「大きな声で言えたね。」と良かったところを伝えてあげてください。 そして「一生懸命練習していたこと、ママは知ってるよ。」、「本番でリラックスするためにどんな工夫ができるか一緒に考えよう。」など、そんな親の声かけの一つ一つが子どもにとっては“魔法の言葉”になるのかもしれません。