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自分が目立てないと、やる気をなくします

小学5年生の女子です。気が強く、目立つことが好きで、いつもリーダー役をやりたがります。 うまくいっているときは良いのですが、自分と似たような子が主導権を握ってしまって、自分がリーダーになれなかったときは、ふてくされて全くやる気をなくします。 あの手この手でやる気を出させようと声かけしても、頑なに何もやろうとしません。リーダーになれなくても、みんなと協力して遊んだり何かをなしとげて欲しいと思っているのですが、どうしたらいいでしょうか。

環境・場所をたくさん与えてあげよう

お子さんは、自分がその場をコントロールしていたいタイプのようですね。私の5歳の娘も同じタイプなので、よく状況がわかります。 娘を見ていると、リーダーとして場をコントロールすることで気持ちが満たされ、自己肯定感が高まっていくのかもしれないな、と感じます。 もし、お子さんも同じようであれば、リーダー役を担える機会をたくさん作ってあげてみてはいかがでしょうか。 違うお友達と遊べる環境をいくつか見つけてみる、習い事をいくつかやってみて自分を表現できる場所を増やしてみる、など。 ある場所では主導権を握れないこともあるかもしれませんが、他の場所ではお子さんだけが主導権を握れるかもしれません。 そうして機会を増やすことで、「ああ、あそこでは自分はリーダーになれるな。」とお子さんが思える場所ができれば、他の場でリーダーになれなくても、総じて気持ちを満たせるようになるのではないでしょうか。 私の娘は、家では4歳上のお兄ちゃんに主導権を取られ、習い事では自分より上手にこなすお友達に主導権を取られていますが、保育園こそが彼女が主導権を取れる場。 クラスのお友達をまとめ、年下の子の面倒をみることで、彼女のリーダーシップを取りたいという気持ちが保育園で満たされているようで、その他の場でへそを曲げることはあまり見られません。

リーダー以外にも大事な役割があることを教える

みんなをまとめていくリーダーは重要な存在ですが、大抵リーダーは一人、なりたくてもなれない場合も多いですよね。しかし、リ-ダー以外にも重要な役割はたくさんあります。 昔話のももたろうでも、お供のキジや猿、犬がそれぞれの役割をしっかりと果たしてくれたからこそ、鬼退治ができました。 それと同様に、それぞれが自分のベストを尽くすことでその場が成り立っているということを教えてみてはどうでしょうか。 子どもの視野はまだまだ狭く、目立つもの=リーダーにしか目が向いていないだけかもしれません。 折に触れ、親が世の中には多くの重要な役割があると伝えていくことで、子どもの視野も広がり、新たな可能性につながるのではないでしょうか。 我が家の場合は、子どもが演劇に興味を持った時、舞台の上で演技する役者だけでなく、演出、シナリオ、衣装、大道具、小道具、音声、照明などなどそのほかにも多くのスタッフが関わり、 一つの舞台ができているという話をしたことがあります。 それまでは役者しか見ていなかった子どもの視野が広がり、いつしか舞台照明の面白さに興味を持つようになりました。 それがきっかけで演劇だけでなく、いろんな場で視野を広げて、物事を考えられるようになりました。

子どもの気持ちを聞いてみよう

私自身も子どもたちも率先してリーダー役を引き受けるタイプではないので、こういう積極性がもっとあればなあ、と思ってしまいます。 ところで娘さんはお母さんが思っているように「目立つことが好き」という理由だけでリーダーをやっているのでしょうか? リーダー役を尻込みする子どももいる中で、自分から引き受ける娘さんのやる気を充分に認めた上で、「ねえ、どうしてリーダーになりたいの?」と聞いてみてください。 「目立ちたいから」と答えるかもしれませんし、もしかしたら意外な答えが返ってくるかもしれません。さあ、ここからです。娘さんの気持ちを聞いてみてください。 「あなたは、どんなリーダーになりたい?」「どうして、そういうリーダーになりたいの?」「そういうリーダーだったら、 周りのお友達はどんな気持ちになるかな?」自分がリーダーの時の視点からたっぷり話してもらった後で、この質問を。 「リーダーになれなかった時、あなたはどうしたい?」今度は違う視点から話してもらってください。 こんなふうに話してもらうと、お母さんが思っていたのとは別の娘さんの姿を発見するかもしれませんし、娘さん自身も、 自分の「リーダー像」を見つめなおし、また逆の立場で眺めることで何か気づくことがあるかもしれません。

本人が状況を受け入れられるようになるのを待つ

親は子どもがリーダー役であっても、そうでなくても仲間と楽しく活動してくれたらと思いますよね。 我が家の小6の息子は率先して物事に取り組むタイプではないので、リーダータイプ、正直羨ましいなと思ってしまいました。 息子のクラスではリーダータイプの子達(複数いるそうです)が主導権を握れなかった時の反応は、怒り出す、いじける、ふてくされる、あっさりあきらめる、などそれぞれだそうです。 高学年になると周囲も声をかけてみたり、そっとしておいたり、友達にあわせていろいろと対応しているとのことでした。 娘さんも小5ともなれば、毎回自分の思い通りになることはないという現実には気づいているでしょうが、思春期にさしかかり、リーダーになれないときのイライラした気持ちを持て余しているのではないでしょうか。 でも実際は娘さんには友達を思いやる気持ちがあるから支持を得てリーダー役をやれるのだと思います。目立つのが好きというだけでは高学年では支持は得られないでしょう。 親御さんにはぜひそのことにも目を向けてもらえたらと思います。 そしてすぐに解決はしないかもしれませんが、リーダーになれなかった時にその悔しい気持ちを一緒に受け止めてあげられたら、娘さんが今後うまくいかない時にも、 だんだんと冷静に状況を受け入れていけるようになるのではと思います。

ライバルを観察してみる

お子さんの、リーダーになれなかった時の悔しい気持ち、よくわかります。 私は小学生の頃はリーダーになれないと、リーダーシップをとっていたお友達に嫉妬して、意地悪なことを言ったりする子どもでした(苦笑)。 学芸会で主役になれなかった時は、悔しすぎて眠れなかったのを今でも覚えています。 でもこの経験が、気づきを与えてくれました。 どうして私じゃなくて、いつもあの子がリーダーになるんだろう? 幼いながらも私は必死に考えて、リーダーになるその子を観察しました。すると見えてきたのは、朗らかで友達が多く、運動や勉強もとてもできるといった、彼女の長所でした。 私も彼女のようになりたい。素直にそう感じて、以来いろんなことを頑張るようになりました。きっとこれもその時の私にとって必要な経験であり、おかげでひとつ成長できたのだろうと思います。 リーダーになるためには、まずはリーダーを観察してみる。おすすめします。子どもなりに、いろんな気づきが訪れるかもしれませんよ。

感情を持て余すのは、成長のチャンス。

お子さんは、今、リーダーになれないという、思い通りにいかない現実に、感情が激しく動いている状態ですね。 そんな時こそ、お子さんと一緒に、そのイライラする気持ちがどうしたらおさまるのかを、色々と話してみてはいかがでしょう。 リーダーになるための方法を一緒に編み出すのもいいですし、もしかするとリーダーになることとは別の、隠れていた気持ちが浮かび上がってくるかもしれません。 感情が暴れるのは、成長のサイン。いやな感情だからこそ、向き合うことをおすすめします。その先にはいろんな自分がいることに気づくことでしょう。 どんな自分でもいいのです。お子さんに、ありのままの自分でいいことを伝え、そんな自分を受け入れられるよう、見守ってあげてください。