子ども達が、夫を怖がります
小学生の子ども達が、夫を怖がります。 よかれと思って細々と注意してくれるのですが、夫は子どもがいうことを聞くまで叱り続けます。 その上、言い方がきつく声も大きいので子どもが萎縮してしまいます。 今では子ども達は父親の前ではおとなしくしていればいいという様子で、夫に用があるときはまず私に言ってくるようになって しまいました。
これから先、進学問題など父親の意見が必要な時に、ちゃんと親子で話し合えるようになるにはどうしたら良いでしょうか?
お父さんの愛情を子どもに伝えよう
お子さんの様子をよく観ていらっしゃるからこそ、ご主人とお子さんの関係が心配になりますよね。 実は、私の父も怒らせたら怖い人でした。稀にですが、手が出ることもありました。 でも、怒った父に対するマイナスの感情は記憶にありません。 それは、日曜大工でベットを作ってくれたり、散髪もしてくれたりという父の日常の行動から、ちゃんと愛情を感じられていたから かも知れません。一方で、母は、父が怒った時には黙っていました。 ごく稀に、「そこまで怒らないでも・・・」とフォローはしていたと思いますが、基本的には父の言うことに間違いはない、という スタンスでした。厳しいとは思いながらも、ぶれない両親に対する信頼と私のことを考えてくれているという想いが常にありました。
社会人になった時に対人関係やマナーなどでそれほど困ったことがなかったのは両親のしつけのお陰だと感謝していますし、 怖いところもあった父ですが、今も和やかに話せる良い関係です。 お父さんが自分のことを思って怒っているのだとお子さんが思えたら受け止め方も変わるかもしれません。 ご主人がお子さんのことを想っていること、信頼できること等がお子さんに伝わるように出来ることってどんなことがあるでしょうか? そこから考えてみませんか?
ご主人の想いを聞いてみませんか
ご主人とお子さんがうまくコミュニケーションが取れない状況だと、この先のことを考えて心配になりますよね。 実は我が家も似たような状況でした。夫は子どものためを思って言っているのに、子どもたちには全く伝わっていませんでした。 そして私はだんだんと夫に対して「どうしてそんな言い方するのかな」と批判的にとらえ、夫を何とかしたいと思うようになっていました。 ある時友人と夫の話をしていて、私は夫の悪いところばかりを見ていることに気づきました。 その時、言い方はきついけれども、それは子どものことを思ってのことなのだと、良い面の方にスポット当ててみようと思えたのです。 そこで、ちょっと勇気はいりましたが、夫に「いつも子どもたちのことを考えてくれてありがとう。」と伝えてみました。 すると夫は、「自分は苦労したから、子ども達には早いうちからいろんなことができるようになって欲しくて、つい、強い言い方に なってしまう。」と、自分の気持ちを話してくれました。 振り返ってみると夫と向き合って、思いを聞いたことがあまりなかったことに気づきました。 すると、「もっとやさしく言った方が、あなたの思いが伝わると思うよ。」と、批判的にならずに私の思いを伝えることもできました。 それからは、夫の個性もあるのでまだ威圧的に感じる時もありますが、夫も意識してきつくならないように気をつけているようです。 そんな夫の変化が子どもたちにも伝わっているようで、以前よりコミュニケーションが取れているように感じます。
できていないことではなく、できていることに目を向けて、それを伝える。 これは子どもだけではなく、大人にも必要なのだと実感しました。 まずはご主人の良いところ、できているところに目を向けて、それをご主人に伝えてみるのはいかがでしょうか。
どんな関係になって欲しいかイメージしながら助け船を出す
ご相談を読ませて頂いて上の子が小学生だった頃を思い出しました。 下の子のちょっかいに我慢できなくなった長男が反撃をしたところに主人が居あわせて、長男をひどく怒ったことが何度かありました。 私がその場にいれば長男が手を出した経緯を主人に説明できましたが、主人は不機嫌な様子で黙ってその場を離れてしまうことが多く、 長男を可哀そうに思っていました。 私自身、主人は気が短いところがあると思っていたので、主人が怒り過ぎだと感じた時は「お父さん、導火線が短いところが あるからね~。でも、仲良くして欲しいと思っているんだよ。」と長男に話したり、「自分ばっかり怒られる。」と子どもが言えば、 「つらかったね。」と受け止めて聴くように意識していました。 しかしそのうちに、長男が自分の部屋に行って夫を避けるようになったことに気付きました。 距離をとるのはいいとしても、主人を嫌いになって欲しくない。子どもが大人になった時に、主人と息子が穏やかに会話の出来る 関係になって欲しいというのが私の希望でした。 そこで、子どものために主人が何かをしてくれた時は「お父さんがあなたたちのためにしてくださった。」と伝えるようにしました。 また、大事なことを決める時は「お父さんの意見を聞いて決めようね。」と我が家で主人が大事な人だということも伝わるように 心掛けました。
先日、大学生になった長男が、些細なことで怒る主人を少し冷めた目で「お父さん、ガキやなあ~。」と、呟いているのを聞いて 吹き出しそうになりました。 その一方では、今の生活はお父さんのお陰だということを話していたこともあります。 時にはあそこのカレー屋さんのカレーが美味しかったから行ってみたらというようなたわいのない会話もしていますし、今、主人と 長男との仲は結構良い感じだと思います。 ガキやなあ・・というのが好ましいとも思いませんが子どもが大人になった時にお父さんとどんな関係でいて欲しいかを イメージしながら対応を考えてみてはいかがでしょうか?
私自身の不満を、夫に伝えてみました
厳しいお父さんが必要な場面もあるとは思います。でもいき過ぎて子どもと父親の関係がぎくしゃくするのは悲しいですね。 心配するお気持ちはよくわかります。私も、夫の態度に疑問を感じた時期があったからです。 我が家の場合は、子どもがもう少し小さい頃から始まりました。長男が2歳を過ぎた頃から夫は子どもが悪いことをしたときに怒鳴る ようになりました。 すると、叱られた長男よりもそれを見ていた次男の方がひどく怯えてしまい、まだ1歳の子が父親の顔色を気にしている・・・ように 私には感じられ、それがとても嫌でした。 また、私が怒ると夫も一緒になって怒り始めることにもとても不満がありました。 両親揃って叱ると、子どもの逃げ場が無くなると思ったからです。 実は、子どもがどうのという前に、私自身が怒鳴ったり叩いたりする父親(男性)がどうしても苦手です。 そこで、できれば叱るのは母である私で、夫には優しく受け止める役割を担当して欲しいこと、そして、夫が子どもを叱ると、 なぜか腹立たしく思ってしまうことも話しました。 多分、私では不十分だから夫が出てくるように感じてしまうと話すと、「俺なりに、年子を抱えているお母さんを助けなきゃいけないと 思っていたんだよ。」と、夫の考えも話してくれました。 夫は、それ以降ほとんど息子達に手を上げることは無く、娘が生まれてからは一層穏やかにお説教するタイプになりました。 ちょっとくどいときもありますが、多分それが夫の本来のタイプなのかも知れません。
ご主人とお子さんの関係だけでは無く、ご自身はご主人の厳しい態度をどう受け止めていらっしゃいますか? ご主人の態度を肯定されるならお子さんへのサポートを考え、もしも、私のようにご主人の態度に疑問や不満を感じているのなら、 まずご自分の気持ちをご主人にお話しされてはいかがでしょうか。
ご主人が育った環境は?
子どもと父親との関係は、日頃そばで見ている母親だからこそ、気になりますね。 小学生の頃の我が家の子どもたちと夫との関係も、同じようなものでした。 私は、常々、夫と夫の父親(義父)との間に、事務的な短い会話しかしないことが気になっていました。 夫に聞くと、彼が子どもだった頃の義父は怖い存在で、逆らうと機嫌が悪くなったので言う通りにしていたから、あまり話したいことが ないのだと答えてくれました。そして、義父はただ子どもを思い通りにしたいために、理不尽なことを言っていたということでした。 するとその時、「子どもたちを自分の思い通りにしたいと思っているのは、親父と同じだな。」と、夫がひとり言のように呟きました。 自分が父親からされて嫌だと思ったことを思い出し、今度は自分が子どもたちに同じようなことをしていることに気づいたのでしょう。 それまでは子どもの細かな行動にもあれこれ指図や注意をしていた夫でしたが、まずは私に子ども達の状況を尋ねるようになりました。 私が状況を説明し、夫が納得する、を繰り返しているうちに、子どもの行動への口出しが減っていったように思います。
子どもたちが成長した今では、「~については、どう考えているんだ?」と、子どもたちに直接聞くことも増え、子どもたちとの コミュニケーションはそれなりにうまくとれているようです。 ご主人が、子どもに今の対応をしているには、ご主人なりの背景があるのではないかと思います。 私の夫のように、ご主人の育てられた環境がそうさせているのかもしれません。率直に「子育てについて、どう思っているの?」 「子どものときはどうだった?」などと尋ねながら、ご主人の話をじっくり聴く機会を持ってみてはいかがでしょう。
ご主人の良さを言葉にしてみる
お子さんがご主人を前に委縮している姿を見るのはつらいですね。 将来のことなどを考えると今の親子関係で本当に良いのか不安になりますよね。 私が所属するある組織で、似た立場を経験したことがあります。 そこに参加する小学生の子どもたちは、ある年配リーダーを前にすると緊張する様子でした。 彼は子どもたちの一挙手一投足を細かく注意し、大声で怒鳴ることもありました。もう少し子どもの目線に立つやり方もあるとは 思いつつ、私を含めた他のリーダーたちにとって、その年配リーダーは、常に正しい方向性を示してくれる頼もしい存在でもあり ましたからはっきり意見することは出来ずにいました。 とは言え、子どもたちのことも考えて、リーダー間である作戦を立てました。年配リーダーへ私たちの要求を一方的に伝えることは、 年配リーダーのやり方を否定することになると思い、先ずは年配リーダーの良い面を言葉で伝えてみることにしました。 例えば、「時にはその厳しさも必要ですよね」、「言うべきことをしっかり言えるってスゴイですね」、「リーダーシップは どうしたら身に付きますか」などなど。 事あるごとにそんな言葉がけを意識しました。 するとある時、年配リーダーから「逆に私はみんなのように、子どもを静かに身守ることができないんだよね」と、まさかの言葉に 驚きました。
その後も、彼は指導スタイルを大きく変えることはありませんでしたが、大声で怒鳴ることが劇的に減ったのです。 そして子どもたちの様子から、以前までの緊張感はなくなり、年配リーダーとの会話を楽しむ場面も見られるようになりました。 今では「言うべきことを言う厳しい人」と子ども達との良い関係が出来ているようです。 先ずはご主人の良さを言葉で伝えることから始めてみてはいかがでしょうか。
夫の気持ちもわかるけど、子どもの不満も理解できる。 両方の気持ちがうまく通じ合わないことが、なんとも残念ですね。ここはやはり一肌脱いで助けてあげましょう。 まずは、お子さんにお父さんのプラスの面をアピール。 そしてご主人には、良いところを十分認めつつ、性格に合わせた声かけをしてみませんか。 もしかすると、気付いていなかったご主人なりの考えを話してくれるかも知れません。 将来にわたってどんな親子関係でいたいのか、そんなことも話し合えると良いですね。