夫婦で教育方針が違い、悩んでいます
現在小学4年生の息子に対し、夫は私立中学へ進学させたがっています。 私は、息子の性格がおっとりしているので、進学校には向かないと考えています。 今も塾には通っているので、もう少しして子どもが希望したら受験も考えようと思っていましたが、夫の親から学費の援助の話が 出てビックリしました。
進学のこと以外にも、時々、子どもに対する期待の方向が夫とは違うなあと感じることがあります。 子どもに対して夫婦で教育方針が違うのはよくないと聞いてから一層悩んでいます。
歩み寄ることはできるのでは?
しつけや教育方針などが夫婦で同じ方向だと安心ですが、そうではないと葛藤がありますね。
私自身子どもが小さい頃は、違うなと思っても、主人や近くに住んでいる主人の両親には言い出せませんでした。 育った環境が違うのだからと、納得しようとしていました。 今思うのは、「何を大切に思っていますか?」「私はこんなことを大切にしたいです。」と話をした方が より理解し合えただろうということです。
成長すると、進路のことなどについて子どもはまず私に話をしてくるので、私から主人に話をするようになりました。 うちの場合は、子どもから受験したいと言い出しました。 そこで、私が「受験したいって言ってるんだけどどう思う?」と夫に子どもの意志を伝えました。 その際、「自分が選択したという感覚を大切にしたいので、行きたい学校へ行けるよう応援したい」という私の考えも 一緒に伝えました。 そして子どもに、主人と私それぞれの思いを話しました。 また主人には、学校の説明会や塾の面談にも一緒に行ってもらい、子どもの現状をわかってもらうようにしました。
夫婦であっても、子どもに対する思いは必ずしも一致していなくてもいいと私は思っています。 お父さん、お母さんにそれぞれの思いがあって、それを聞いて子どもが自分自身で考えて決めてほしいと思うからです。 普段あまり主人とは話をする時間がなかったのですが、子どものことをきっかけに話をすることで、彼の考えていることが 前よりわかった気がしました。 それぞれ考えは違うという前提の元、理解しようとどう歩み寄るかが大切なのではないでしょうか?
人を理解するというお手本になります
不安に思うお気持ちわかります。 でも皆さんがそれだけお子さんのことを第一に考えられているということなんですね。
私の両親は楽観的な性格で、勉強よりも遊ぶことを第一と考えるような親でした。 当然、勉強はできませんでしたが、おかげで、自分のやりたいこと(ほぼ遊びですが)を自由にできたのは良かったと思います。
そんな両親ですが、基本的に父は頑固で大人しく、母は明るく優しい性格の人でした。 例えば、父は自分の非は絶対に認めません。 家族がエアコンを消し忘れると怒りますが、自分が消し忘れたことを指摘されると、不機嫌になるので、少し気を 使わなければいけないような存在でした。 一方、母はいつも明るく、忙しいときでもよく話を聞いてくれたので、一緒にいてすごく安心できる母親でした。
そして、二人の性格に違いがあるように、私に求めていたことも違ったと思います。 それでも、当時から私は父と母の性格の違いに、迷いや疑問を抱くことはありませんでした。 むしろ、その違いは私に、「人を理解すること」を教えてくれているようでした。
そう思えたのも、母が私に、父がいかに尊敬できる存在かを教えてくれたからだと思います。 母はよく「お父さんは少々頑固なところがあるけど、すごく頼り甲斐があって一緒にいると安心なの」と話していました。 おかげで私は、父の頑固さとは別の家族思いの一面を知ることができました。
互いの教育方針の違いで悩むことはあるでしょうが、親がその違いをどう捉えるかで、子どもへの影響も変わるかもしれません。 ご主人を含めみんながお子さんを大事に思っていることを、折に触れてお母様からお子さんへ伝えてみてはいかがでしょうか。
違う視点で子どもを観れるといいですね
子どものことを真剣に考えれば、お互いの教育方針の違いに悩みますし、不安にもなりますよね。 ですが、方針が違うことも悪いことばかりではありません。 我が家では、息子が小学4年の時に塾に行きたいと言い、通い始めました。 学校と厳しい塾との両立で、息子は時間的にも精神的にも追い込まれていきました。 徐々に元気がなくなり、塾を休みがちになり、そのうち、学校までもしんどいと休むようになっていきました。 塾をやめることを勧めましたが、彼は「嫌だ。」と言って聞きません。 やめないなら休まずに行くのが当たり前と、嫌がる塾に強引に行かせたりしていました。 今思うと、この時、どちらかが子どもをもっとよく観て立ち止まることを考えられたら子どものしんどさも違っていたと思います。
だんだん覇気のなくなっていく息子の様子から、このままではいけないと感じ、夫と話し合い、息子も最後には納得して 退塾しました。 しばらくはしょんぼりしていましたが、その内、放課後も友達と遊んで過ごすようになり元気を取り戻して行きました。
この事から私は夫婦が少し違う視点で観れたらよかったと思っているので、教育方針に限らず、夫婦の考え方が同じだからいい、 ということでもないと思います。 現在ご夫婦の方針が違ってもそれを夫婦で話し合い、お子さんにとってより良い方法を探す機会だととらえてみてはいかがでしょうか? いずれの場合も子どもの状況をよく観て子どもに合わせたアドバイスやフォローをしていくことが大事なのだと思います。
相談を持ちかけるという方法もあります
ご主人やその両親との考え方の違いを感じると、悩んでしまいますね。 私も、育った環境の違いからか、何となく違和感を感じながらも、それを伝えないままに生活していたことがありました。 とはいえ、私たち夫婦は、同じ大学を卒業したので、お互いに、今でも母校で過ごした年月や、楽しかった経験や仲間を 大切にしています。ですので、漠然と、子どもたちには、私たちと同じ大学に進学してほしいなと願っていました。
それには「中学受験が近道」と考え、まずは長女に、受験を打診したところ、あっさり拒否。 では、次に長男はというと、はっきり嫌だと言わないので、一気に受験モードに突入しました。 ですが、親の思い通りに、子どもを動かすことができたのは、小学生まででした。私立中学入学後に、長男は学校に 行かなくなりました。 そのことをきっかけに、改めて夫婦で、子どもたちにどのように育ってほしいのかを、話し合いました。 それまで、私たちは相談するということの少ない夫婦でした。 生活における役割分担が決まっていて、自分の役割についてはそれぞれ相談せずに、自分で決めていました。 というのは、主人の仕事の都合で、なかなか話す時間が取れないことと、意見を聞くと主人の意見が決定事項になって しまうからです。
ところが、長男の出来事以来、私は、どんなことでも、どうしたらよいかを話し合ったり、主人の意見を聞くために、 相談するようにしました。 例えば、子どもが誕生日に、親が考えていた以上の高額なものを欲しがったとき、「どうしよう?」とだけ相談するのではなく、 「昨年は○円くらいのものをプレゼントしたけど、年齢を考えると少し高額にしてあげてもいいかなと迷っている」というように、 自分の意見を添えました。 こんなふうに私たちが相談し合っている姿を見て、子ども達もだんだんと親に相談してくるようになったのは、 私には思いがけなく嬉しい変化でした。
ご主人に自分の考えや思いを伝えながら、相談してみてはいかがでしょうか。
家族みんなで話す場を作ってみる
周囲の大人達は協力し、夫婦は同じ方針でぶれること無く子どもに接する方が良い・・・というのが理想ですよね。 しかし、夫が言うこと全てに違和感も疑問も持たない妻がどれほどいるでしょう。
私は子どもが生まれてから、夫や義両親に対して、些細な不満や疑問はしょっちゅうありました。 叱るポイントが違ったり、ほめる言葉に違和感があったりもしました。 育った環境が違うということが、子どもを育てるうちに実感できたという感じです。 ではそんな時どうしたかというと、私ははっきりと夫に尋ねました。 「なんで怒ったの?」とか「なんで許しちゃうの?」とかです。 子どもが小さな時は子どもの前で言うことは避けましたが、小学校に入ったくらいから意見の相違はその場で解決してしまった 方が私自身がスッキリするので、子どもの前でも喧嘩口調では無く、単純に「なんで~?」と尋ねるようにしました。 すると、夫も私や子どもに説明することになり、父親の気持ちやそうする理由がはっきりと理解でき、反対意見もその場で 言えたので我が家には良かったようです。
受験というと大きな問題ですが、夕飯の時にでもあえて軽い雰囲気で「中学校どうする?受験もあるらしいよ~。」と話を 切り出してみてはいかがでしょうか。 家族みんなの話題として取り上げるのです。 それぞれの考えを聞いて、その場ですぐに結論を出す必要は無いでしょう。 お子さんから学校のお友達の様子なども聞けるかも知れません。
義両親様に関しては、話が決まるまで待っていただくようお願いしてみては? お子さんに「自分でじっくり考えて決めるね。」と言ってもらうのも良いかもしれませんよ。 嫁よりも孫からの言葉の方が受け入れやすいに違いありませんから。
家庭は子どもが初めて出会う「小さな社会」です。 さまざまな考え方や好みがあって、それをお互い尊重し助け合いながら生活しています。 いつか本当の社会に巣立っていくまでに、日々の生活の中から意見の違う相手とのつきあい方やものごとの捉え方の違いなどを 学ばせてあげられると良いですね。
今は子どもに対する期待の形は違っても、その幸せを願う気持ちはきっと同じです。
お子さんはこの先、さまざまな場面でいろいろな選択をすることになるでしょうが、どんなときも自分を応援してくれる人が いるということが、きっと支えになるのだと思います。