自分の意見を言えない
小学4年の男子です。
お友達と仲良く過ごしていますが、その様子が気になります。
なんだかいつもお友達の意見に従っているように感じるのです。
優しいといえばそうですが、自分から主張することがほとんどありません。
「もっと自分の言いたいことを言えば良いのに」と歯がゆい思いで見ています。
このままだと大人になっても嫌と言えずに周囲に流されてしまったり、自分の意見を発表すべき時にちゃんと発言できないのでは・・・と心配になります。
「言えないタイプ」の人はこのように学びます
友達の意見を第一に考えるお子さんの、優しい人柄が伝わってきます。
実は私も言えないタイプです。今でもそうですが、なかなか自分の意見を言えない子どもでした。 私の場合、自己主張が原因で周囲との摩擦を生じるくらいなら、周りに合わせている方が居心地が良いと感じます 。でも自分の気持ちをもっと表現できれば楽しいだろうなと、思うことはあります。
私が小学6年生のときです。 クラスの友人たちからの頼みを断れずに、嫌々やることになった運動会の応援団長で、自分の新たな一面を発見しました。 それは、「自分にも人をまとめる力があった」ということです。 クラスの友人たちは、応援団長という慣れない大役を引き受けた私をいろいろ助けてくれました。 また立場上、人に指示したり教えたりすることが必要とわかってからは、自分の意見もしっかり言えるようになり、 同時に自己主張することの気持ちよさも感じました。 とはいえ未だ、自己主張できないときもありますが、あのときの経験から、日ごろ思うようにしていることがあります。 それは日々の生活等で自己主張しないまま、嫌々やっている中にも、もしかしたら自分のためになることがあるかもしれない、 ということです。
自己主張しないお子さんということですが、それでも本人が気づかぬうちに自分のためになる何かを学んでいるのだと思います。 親御さんとしてはそんなお子さんの姿を静かに見守ってみてはいかがでしょうか。
親が待つことで練習しました
うちの息子も、自分の意見をはっきり言わない子どもでした。 私としては、自己主張する姉と比べて、おとなしい息子に、活発な子になってほしいと思っていました。
そんな時、息子は仲良しの友達に誘われて、ミニバスケットを習い始めました。 自分からやりたいと言って始めたバスケットですが、徐々に練習に行かなくなってしまいました。 その様子を見ていた私は、腹が立って、「練習に行かないなら、辞めなさい」と一言。 息子の気持ちや考えを確認しないまま、私がコーチに辞めることを話しに行ってしまいました。今思うとひどいですよね。
このことがあってから、息子は今まで以上に、私の問いかけに、「うーん」と言って、考えたまま、答えなくなりました。 それに対し、返事を急がせる私は更に熱くなって空回り。 でもそのうちに、何かが変だと、ようやく気づきました。 子どもが答えられないのは、私が返事を待っていないからかもしれない、と。
そこで、工夫したことは、私が黙って息子の言葉を待つこと。 例えば、お菓子を買うときに、何がほしいかを聞いても、すぐには答えが返ってきません。 それでも、「チョコレート」という返事が返ってくるまで待ちました。 時には、考える時間が長くて、忘れた頃に返事をすることもありましたが、必ず自分の考えを伝えてくれるようになりました。 成長した息子は、少しは考える時間が短くなったような気がします。
日々の訓練でかなり言えるようになってきました
友達の意見に合わせることが多くて、自分の言いたいことを言わずにいるお子さんを見ていると歯がゆく思ってしまう、 その気持ちよくわかるなと思いました。お子さんの将来を思えばこその親心ですよね。
私の場合は、子どもも私自身も言いたいことが言えない時があり、自分の都合を伝えず友達に言われるままに約束をしてきたりすると、 自分と子どもの姿を重ねて情けなく思ってしまうこともありました。
そこで、子どもが自分の意見が言えるようになるための訓練を心掛けました。自分は今どう思っているのか、
どうしたいのかを子どもに考えさせました。例えば外食に行く場合、我が家はいつも主人の希望が優先でした。
主人が「これ」と言うと、子どもは黙ってしまって、賛成なのか他に食べたいものがあるのかわかりませんでした。
そこで、みんなの意見を出してどうするかを考えるよう提案しました。
子どもに、何が食べたいのかを言うように促したのです。他にもこのような機会があると「あなたはどう思う?」と意見を求めました。
自分の意見を伝えることで、自分を大切にできたという感覚をもってほしいと思ったからです。
その成果があったのか、今でも友達に合わせることは多いですが、誘われても断ることができています。
意見を言うべき時は、伝えているようです。
私も今まで「ま、いいか」と言わずにあきらめていたことを、自分が言いたいと思ったことは伝える努力をしています。
「言わない」のか、「言えない」のか・・お子さんは?
友達の意見に合わせられるお子さんの優しさを理解しつつも、もっとこうだったらいいのにと、子どものことって気になりますよね。
友達と仲良く過ごしていると書かれていますね。
お子さんは無理してお友達の意見に合わせているのでしょうか?
敢えて違う意見を言う必要を感じていないのかもしれませんし、少しくらい意見が違っても議論するより合わせる方が楽なのかもしれません。自分の意見を主張せず相手に合わせられるということは、見方を変えれば、穏やかな友達関係が築ける素敵なことのようにも思えます。
お子さんがどう思っているかを聞いてみてはいかがでしょうか?
案外、「本当に嫌なことは嫌だと言っているよ。」という返事が返ってくるかもしれません。
もし、お子さんが、もっと自分の意見を言いたいと思っていたら、どうしたら自分の意見を言えるかを一緒に考えてみるのもいいかもしれません。 お子さんの気持ちを理解するきっかけになるのではないでしょうか。
もどかしい気持ちも分かるけど
言いたいことも言えずに我慢しているんじゃないか・・母としては心が落ち着かないですね。
もしも、お母さんやお父さんが"自分の意見ははっきりと主張するタイプ"の場合はなおさら歯がゆく感じられるのではないでしょうか。
あるとき、「○○くんがやめてって言っても、何回も嫌なことを言ってくるんだよ」と、息子が困り顔で話してきたことがありました。 最初は「困ったね。そのうち、分かってくれるんじゃない?」と返事をしていました。 そんな会話が何度か続いたとき、とうとう私は 「嫌なら嫌ってはっきり言えばいいじゃない!私に言ってもその子には伝わらないよ。」とちょっとキツく言ってしまいました。 うじうじした様子の息子に、私が我慢できなくなったのです。
“なぜはっきり意思表示しないのか?”息子に対してたくさんの感情があふれてきました。 言葉にはしなかったけれど、きっと伝わっていたのでしょう。 次の日息子は、相手の子に"嫌だ"と身体で伝えたと、学校の先生から連絡がありました。 その時、私の言葉が息子を追い立てたのではないか、とハッとしました。 その夜、「なんか、たきつけるようなこと言ってごめんね。」という私に、息子は「べつに…。」とひとこと言ったきりでした。
私は自分の苛立ちのにばかり気を取られ、息子がなぜ私に話したのかを考えたり、息子がその子とどういう関係でいたいのかを、 ちゃんと聞いていなかったことを反省しました。 またこの事は、相手にはっきり言うことが良いことだという、私の思い込みを見直す機会ともなったのです。
学校でも遊ぶ時でも、自分の意見をはきはき主張している子を見ると、後ろを黙って付いていくだけの(ように見える)我が子が、 ふがいなく感じられることがあるかも知れません。でも本当に「意見を言わなきゃダメ」なのでしょうか。 言う必要があるときに言えればそれでいいのかも。 いらぬ衝突は避けたほうが有効な場合もあることを、大人は処世術として知っています。
ただ、自分を大切にすることは教えてあげたいですね。相手の主張を納得して受け入れている場合と、本当は嫌なのに自分を殺して、 自分の存在を否定しているのとでは大きく違います。 また、最近気になるのが、最初から意見を持つことさえ放棄している様子です。 これは、自分の発言を尊重されたことがほとんど無い場合や常に却下され続けた結果、「もういいや・・」と諦めてしまったのかも 知れません。
まず、家庭の中でお互いの意見を聞くことができているかどうか見直してみませんか? 親の都合ばかり優先されていないか?また、何も言わなくても当たり前のように子どもの好みが優遇されていないか?など。 さまざまな場面で、お子さんが“言う”まで待ってみて下さい。