小5男子 人の好き嫌いが多い
小5の息子ですが、先生や友達に対して、好き嫌いがはっきりしています。 友達は、まぁ嫌いな子とは付き合わなければよいのですが、先生に関しては、嫌いな先生と関わらないわけにはいかず、担任が嫌だ、算数の先生が嫌い、音楽の先生は最低!と愚痴ばかり言っています。 これから色々な人と付き合っていくのに、今のままでは心配です。
好きなものの話をしてみませんか?
お子さんのネガティブな話を聞いていると、相談者さんも疲れちゃいますよね。実は私の次女もお子さんと似たタイプでした。でもそこは、お子さんの話をなんの否定もせずふむふむと聞いてあげてください。 それは大変ね、それは怒りたくなっちゃうね、それはひどいよねー、私もそれは苦手だなって。 そして時には、お子さんに好きなものの話を聞きだしてみたらどうでしょう? 学校では何が楽しい? TVは何が面白い? 本は何が好き? ゲームはどんなのが面白い? 給食は何が美味しい? などなど。 このタイプのお子さんは、もしかしたら何も面白くない、つまんない、と答えるかもしれません。もしそうでしたら、「ちょっとこれいいかも?」でかまいません。 問いかけるうちに、少しずつお子さんの「好き」「ちょっといいかも?」を引き出していけるかもしれません。 我が家の次女も、未だに「苦手」は多いと思いますが、その分、その嫌いをえいやー!と投げ飛ばす「好き!」をみつけだす力がついたようです。 好きなものがあるということは、人生をすごく楽にしてくれて、辛いことや悲しいことを乗り切る活力になると思います。 お子さんの発信する「嫌い」「苦手」は、相談者さんがどん!と受け止めて、ご自身は「好き」「ちょっといい」を発信する会話をしてみてください。
感じることと表現することは違うと伝えていきましょう
大人に近づいていくにつれていろいろな人と付き合っていかなければならないのに、「嫌い!」を連発されると社会に適応できるのだろうかと親としては不安になりますよね。 ましてや小5にもなると、中学校という次の世界が見えてきている中で、心配もさらに積もってくるのだろうと想像します。我が家でも、二人の子どもがネガティブな感情を他人に持ったと言ってくる時があります。 その時に小さな頃から伝えてきているのは、自分がどう感じるかはその人が持つ感情なので否定できない、だけどそれを口に出したりして表現するのは別だということです。 自分から湧き上がる感情を否定すると、「こんなことを思ってしまう自分はダメな人間だ」と自分自身を否定することにもなりかねず、自己肯定感が下がることにつながりかねないと思うのです。 親の私としては、それは最も避けたいことなので、「そうだね、そう思っちゃうこともあるよね。嫌なことだもんね。どう感じるかは人それぞれの自由だしね。 だけど、その感じたことをその人に対してとか外に表すことはまた別の事だよね。」と、一旦子どもの感情を受け止めた上で伝えてきています。 長年、都度発生する度に伝えてきているからか、中2の息子にいたっては「わかってるよ!だから外には出してないよ!」と思春期独特のイラっとした口調で返されることもありますが、 親に対して吐き出せているならそれはそれで健全だなと受けて止めています。
子どものマイナス面ばかりではなく、プラス面もみて!
お子さんが担任の先生や教科の先生の愚痴ばかり言っていると心配になりますね。私自身は好き嫌いが少ないタイプです。 一見、好き嫌いがないというのは良いように思いますが、今になってみると、そうでもないように思います。 私の場合、本音をさらけ出せることが少ないからです。またタレントなどの有名人の推しもいません。無いものねだりになりますが、好きも嫌いも強い方が良いなと最近、特に思います。 親御さんが少しでもお子さんのために、と思う気持ちはよくわかりますが、好き嫌いがはっきりしていることのマイナス面にばかりに目がいっている気もします。 好き嫌いが多くない方がいいと、思っておられませんか?好き嫌いがはっきりしているということは、別の視点で見ると、自分のはっきりとした気持ちに気づいているということです。 私たち親は、ついつい自分の見方を子どもに押し付けがちです。私も子育て真っ最中のころは、ついつい私の見方による満点を求めていました。 それは子どもの個性や思いに目を向けず、自分の価値観による満点を押し付けていたんだと反省です。好き嫌いがあるからこそ、原動力になったり夢中になったりできるという面にも目を向けてみませんか。 親御さんの視点が変わるとお子さんの言動も変わるかもしれません。
親子の対話で新たな発見の機会に
ご心配、お察しいたします。その心配をお子さんとの対話で、新たな発見の機会にしてみませんか?お子さんは、自分の気持ちを親に話せているご様子ですね。 そこで、しっかりお子さんの思いを受けとめてみてはいかがでしょう。たとえば、「そうなんだ。○○先生は嫌い、△△先生は最低!と思っているんだね。」と、語尾の繰り返しで、子どもの気持ちを受けとめます。 次に「どうしてそう思うの?」「どんなところが嫌い?最低?」などと具体的ことを聞いてみます。「他にもある?」と出てこなくなるまで徹底的に聞いて、否定せずに「そうなんだね」などと、一つ一つ受けとめます。 ここは、親は、子どもの思いをもっと知りたいと関心を寄せます。子どもが、「もうないよ」と言えた時が、親の質問のチャンスです。 「ここまで話してみて、今どんな気持ち?」「何か気づいたことある?」「先生のいいところは一つある?」などなど。 このような対話を繰り返すことで、親子で自分の思いと向き合えたり、新たな発見があるかもしれません。人を別の角度から見るという訓練にもなるのではないでしょうか。
お子さんのように、好き嫌いをはっきり表すタイプの子どももいれば、それほどでもないタイプの子どももいます。 また、小5ともなると思春期に入った成長の証かなとも思います。ちょうどこの年齢のころ、我が家の2人の子どもたちも先生の悪口を言うようになりました。 自分のことを「親とは違う1人の存在」だと意識し始めるようになると、友人や先生に対しても見方が変わってくると思います。 これまで自分の「そういうものだ」と思ってきた価値観(実は、親や先生の価値観)を「ちょっと待てよ、変じゃない?」と、自分なりの価値観を作り上げていく時期です。 今、お子さんは作り上げつつある、その価値観で周りの人を批評しているのでしょう。親御さんは、どうぞその状態のお子さんを見守りながら、ハートフルコーチたちが紹介しているような対応をしてみてはいかがでしょう? 親御さんの接し方が、「なるほど、そういう考え方もあるのか!」と、今は訓練期間中のお子さんの、今後の周囲の人との付き合い方に大きなヒントになるかもしれません。