授業態度がよくないと言われました
小3の娘がいます。小学校2年生の時に、「(動作が)とろい」、「どんくさい」と同じクラスの男の子からからかいがあり、登校しぶりがありました。 3年になって、個人懇談で授業を受ける態度がよくないと担任の先生に言われました。 頭に血がのぼると机を蹴ったり、字が少しでもきれいに書けないと何度も書き直したりするそうです。授業の内容は理解しているようです。どのように静かに授業を受けることを伝えればよいでしょうか。
言葉で伝える喜びを感じられるよう対話してみませんか
どちらの事も、親にとってはショックな話ですよね。お子さんは、周りに左右されず自分のペースで行動したり、思い通りにならない時でも妥協せずにやろうとしたりする、自分の気持ちに正直な人なのかなと感じました。それだけに、理想通りにできない時、感情のコントロールが難しいのかもしれません。その為、もどかしい思いをしているのではないでしょうか。自分の気持ちを素直に表現しているので、その気持ちをしっかり受け入れる事が、まずは大切かと思います。もし、気持ちをうまく伝える事ができない時は、「悲しかったね」「悔しかったね」など、お子さんの気持ちを言葉にしてあげてください。その後、様々な場面で、友達や周りの人の気持ちを考えつつ、自分の気持ちをどんなふうに表現したら良いか、お子さん自身が納得できる方法を一緒に探してみてください。そして、言葉で表現できた時を見逃さず、できた事を認めてくださいね。更に、楽しさを感じられるような対話を心がけることで、言葉で伝える喜びを感じられるようになると思います。 学校でも同じような対応をお願いできたら、家とはまた違う喜びがあると思います。自分の気持ちを言葉や様々な方法で表現できるよう、親子で対話をする時間を持ってみてください。お子さんが自分で自身の気持ちに対処できるようになり、学校での生活を楽しめるといいですね。
場所を考えてみてはいかがですか
学校の先生から言われると親としてはとても気になりますよね。私は塾講師をしておりますが、たまに似たようなご相談をもらうことがあります。塾では比較的おとなしくても学校では少しやんちゃな様子が見られるケースもあります。 学校ではなぜ「とろい」と言われてしまうのか、なぜ机を蹴ってしまうことがあるのか。では他の場所、例えば学童やプールなどの習い事ではどんな様子でしょうか。同じように「ゆったりしている」などと言われたことはありますか?プールなどの習い事でうまくいかなかった時に物にあたってしまうことはありますか?もし習い事などの他の場所では問題なく、学校だけのことであれば、学校にお子さんのスイッチが入る何かきっかけがあるのかもしれません。もし場所によって様子が異なるのであれば、ぜひ、お子さんのペースに合わせてゆっくりと状況を聞いてみてください。「学校ではなぜ机を蹴ってしまうの?」や「他の習い事ではなぜそうはならないの?」などなど。 もしかするとお母さんに新しい発見があったり、サポートできることが見つけられたりするかもしれません。
本人も困っている行動なのか、理解しての行動なのかを考えてみる
先生に言われたことに、親はとても心配になったり、悩んだりしますよね。もし、これまでにも学校や園において、問題となる行動があったならば、お子さんに、その時どういう気持ちだったのか、尋ねたことはありますか?自分は、本当はやりたくないと思っているのに、つい体が動いてしまう…実は自分でも困っているという場合もあります。というのも、私は保育士として保育園に勤めていますが、たまに表情を歪めながら、迷惑行動を起こしてしまうという子がいます。自分の気持ちに対して、自分でもどうしたらいいのか分からなくなっているんだなぁと思います。その場合、親御さんに専門機関への相談を提案することもあります。なぜなら、そこで、子どもへの対応の仕方を教えていただけたり、本人が抱えている困り感を軽減するヒントがいただけたりするからです。一方、理解した上で行動しているのであれば、「机を蹴るなどしたら、周りの子はどんな気持ち?」「自分の隣の子がそうしたら、どう思う?」を一緒に考えることが出来ればいいなと思います。 そこから、どうしたら良いかを導き出せるかもしれません。
時間を意識した働きかけを
まずは、「とろい、どんくさい」とからかわれたというお話から、マイペースなお子さんなのかなと思いました。 私の話になりますが、本当はのんびりマイペースでいたかったのですが、常に周りから急かされていた記憶があります。負けず嫌いだったので、周りに合わせようとしていましたが、今思うと相当頑張っていたように思います。相談者さんのお子さんも「マイペースなお子さん」という視点でお答えしたいと思います。学校は集団生活であるので、時間制限があります。その中で何を優先にしていったらいいのか、お子さんは理解していますか。「字をきれいに書きたい」など、他にもお子さんの「こうしたい」がたくさんあって、どれも頑張りたいために頭に血がのぼるのではないかと思いました。であれば、せっかくの向上心を学校の時間制限で失いたくありません。お子さんの「こうしたい、こうなりたい」という願いをお家でたくさん聞いてあげて欲しいと思います。お子さんが言葉に出来たら、一緒に考えて「必ずしも今やらなくていいこと」と、「頑張ったら出来ること」に振り分けてみると良いと思います。後者であれば、時間を意識して文字を早くきれいに書けるように家で練習することも、お子さんの自信につながっていくのではないでしょうか。
おまじないを探そう
学校の先生から言われると、親としては気になりますよね、私もです。 とてもこだわりの強い気質のお子さんなのかな、という印象が文面からは伝わってきました。でも、自分のイメージ通りにならない時、焦ってイライラしたり思わず感情的になることは私たち大人にもありますよね。その気持ちを、未だ自分で上手く処理したりコントロールすることが難しいのかもしれません。こだわりが強い分気持ちを持て余して、ついモノにあたったり…といった行動に現れているのかなと、私は感じました。 授業の内容は理解しているとのことですので、授業中は静かにしないと周りのお友だちに迷惑がかかってしまうということを、お子さんは理解していると思います。でも、強い感情が邪魔するのでしょう。そこで、お子さんがイライラを爆発させないですむ“おまじない”を一緒に探してみては、いかがでしょう?例えば、机を蹴飛ばしたくなったら、≪深呼吸しよう!≫とか≪水筒の飲み物を飲む≫など、ちょっと自分を落ち着かせる魔法のようなおまじないを探して試してみてください。そして、そのおまじないを先生とも共有することで、上手く感情をコントロールできた時には、「今日はできたね!」と先生からも声をかけてもらえるとお子さんも嬉しいと思います。先生と親御さんとの連携でお子さんの成長をあたたかく見守ってあげてください。
「とろい」「どんくさい」とは…さぞかし辛かったことでしょう。また、学校という集団生活の場では思うに任せないことがいろいろあるかもしれませんね。先ずは、お家でお子さんの言葉をそのまま受け止めてみてください。「嫌だ」と言えば「嫌だよね~」と、紙風船を受け取るようにふんわりと。それから、お子さんの<できていること>や<がんばっていること>に着目して「〇〇できたね。」「〇〇がんばってるね。」と認めてください。お子さんの心のキャンバスが肯定的な言葉で彩られていくのではないでしょうか。 それから、「その時、どんな気持ちだったの?」「習い事ではどうなの?」「本当はどうしたかったの?」などと聞いてみると、お子さんへの理解がより深まるでしょうし、お子さんにとっては気持ちを整理することに繋がるでしょう。また、感情をコントロールするための<おまじない>を探したり、優先順位をつけるための質問をしてみたり、言葉で表現する楽しさを味わえる会話を心がけるなど、今日からでもやってみようと思えることが見つかればいいですね。そして、是非、学校の先生と<対応のしかた>を共有してみてください。協力体制ができることで、親御さんも心強く思えるでしょうし、何より、お子さんにとって過ごしやすい環境を提供することになると思います。