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小6男子、家族の悪口を言っています

小6の男子の母です。息子が私のいないところで、習い事の先生や友達の親に、家族の悪口を言っているようです。「お母さんは僕を思い通りにしようとする!」「お父さんはゲームを全くさせてくれない!」などなど。「家の人には言わないで。」と息子に言われたそうですが、こっそり教えてくれました。腹が立つと同時に、悲しくなってきました。「告げ口をしたと思われたくないから教えたことは言わないで!」と先生や友達のお母さんには言われています。 どうしたらよいでしょうか。

まずは子どもの観察から

愛情をかけて育てた子どもが、自分の知らないところでまるで恩を仇で返すかのように悪口を言っているとは本当にやりきれなくなったことでしょう。しかも伝えた人に口止めをお願いしているとは、きっと輪をかけて悲しく感じられたとお察しします。 「どうしてそういうことをするの?」と本人を問い詰めたくなるでしょうが、その前にまずは一旦その感情から距離を置いてみましょう。そして一体なにが悪口を言わせる要因になっているのか、まずはお子さんの日常を観察するところから始めてみませんか。毎日のやり取りの中でお子さんが見せる表情や、何気なく交わす会話の言葉尻、そうした中に以前とは違う微妙な変化や違和感があるかもしれません。家の外で思わず悪口を言いたくなってしまうような瞬間が日常のどんなところに潜んでいるのか、ご自身で感じ取るところから始めましょう。観察する中で、悪口の要因となっているお子さんの気に障るあれこれだけではなく、今まで見えていなかったお子さんの新たな側面が見えてくるかもしれません。そこで改めてお子さんと悪口の要因について話しましょう。同時に、新たに気づけた側面もあわせて「お母さんはこう感じたんだ」とご自身を主語にしたアイメッセージで伝えられたら、きっと以前より豊かな親子関係が築けるきっかけとなるのではないでしょうか。

お友達のお母さんと連携してみては?

お母さんの腹が立つと同時に悲しいお気持ち、お察しします。実は、私は以前、そのお友達のお母さんの立場でした。その子の不平不満を聞くことで、少しでも心が軽くなるのならと思い、「うんうんそうかぁ…」「なんとかならないものかなぁ?」と、ただひたすら聞いていました。このご相談の場合、お友達のお母さんは、もしかしたら、息子さんの小さなSOSを感じ取って、お母さんに話してくれたのかもしれません。なんといっても、お母さんには話さないと言う約束を破って話してくれたのですから。私も、実際、その子のお母さんの話もちゃんと聴いていたら、なんとか親子関係をいい方向に持っていくことができただろうなぁ、と今更ながら思います。息子さんの言い分を聞いてくれている方に、「話してくれてありがとう。でもこっちにも言い分はあるのよ!」と少しお母さんの話も聴いてもらってはいかがでしょう?その方と連携すれば、息子さんの考えを聞けますし、自分の思いも話せます。親子の心の掛け違いをみつけるチャンスです。きっと息子さんの語り場となっている方も、お二人の架け橋になりたいと願っていると思いますよ。

子どもに同じことをしていませんか?

大切なお子さんが陰で親の悪口を言っていると知るのはとてもショックで悲しいですよね。一方でお子さんのことを誰かに「うちの子、全く勉強しない」「遅くまで起きている」「お菓子ばかり食べる」などと言ったことはないでしょうか?私はママ友や友人に子どもの怠惰な行動を天気の話をするように悪気なく、よく言っていました。子どもは悪口を言われていると何気に感じているし、知っていたかもしれません。お子さんは「内緒にして」と言うぐらいですから悪口を言うのを良くないと思っても、親もしている事と思っているのでは?当時の私は愛情があるという建前のもと、なんの後ろめたさや疑問、そして子どもがどう感じるかを考えませんでした。私は我が子が親の悪口を言っていると聞くことはありませんでしたが、同じことを子どもがしても不思議はありません。親は子ども同様に子どもの悪口を言っているという視点に立つと、これからの対応がより冷静になれるのかなと感じます。

親子のコミュニケーションを深める機会に!

お気持ちお察しいたします。今回のことを家族間のコミュニケーションを深めるチャンスとされてはいかがでしょう。そのために次のような視点で考えてみませんか?
1.今回のことを教えてくれた方々を応援団としてサポートしてもらう
子どもにとって聞いてもらえる関係性のある大人の存在は大切だと思います。話しを聴いてもらえることで、6年生ぐらいだと子ども自身気づくことがあるのではないでしょうか。そこで、お子さんの習いごとの先生や友達の親を、親とは違う斜めの関係としてとらえ、お子さんが話したことは親の悪口ととらえず、先生や友達の親にはこれからも話を聴いてもらえるよう、また、お子さんの話すことを否定せずにどうしてそう思うのかなどの声かけもお願いするのはいかがでしょう。聴いてもらい尋ねられることで、お子さん自身も親御さんの思いに気づくきっかけになるかもしれないですね。
2.思春期に入った子どもとのコミュニケーションを見直す機会とする
・お子さんが親には言わずに知人や先生に言うことで得ていることは何か。
・子どもが言いたいことは最後まで聴いて、親の意見を言っているか。
・子どもがやりたいことは話し合い等で、お互いに納得できているのか。
思春期に入ったお子さんの気持ちにも目を向け、家族間のコミュニケーションをふり返り、これからのコミュニケーションでは何を大事にしたいのかなど家族間での共通理解も深められるといいですね。

子どものサインを受け止めよう

愛情を注いで育ててきた我が子が家族の悪口を言っていると知った時、どれほどのショックを受けられたことでしょう。親御さんの言い分も当然あると思いますが、ここはお子さんが自分を見て欲しいというサインを出していると理解し、どうぞそのサインを受け止めてあげてください。我が家の例をお話しします。家庭にはその家庭のルールがあり、子どもにもそれを守ってもらおうとします。どうしてそのルールがあるのか、子どもと話し合う場を設けずに一方的に従わせようとしたために、子どもはたびたび噓をつくなどの形でサインを発信しました。心穏やかではいられないものの、サインだとすぐに理解できなかったことは反省点でした。お互いに話しやすい関係であれば、言いたいことは直接言ってくれると思います。直接伝えられない状況なので、こういったサインを出しているのでしょう。サインを受け止めたら、お子さんの様子を観察し、ゆっくり話を聴く環境をつくり、「あなたは大切な存在」というメッセージを伝えてください。そして自分だけで抱え込まず、周りの人にも協力してもらってはいかがでしょう。