子ども同士のケンカ、どこまで関わればいいでしょう?
最近、子どもの元気がないので聞いてみたら、学校で友だちとケンカしたようなのです。 詳しいことはわかりませんが、私自身は気になって仕方ありません。 子ども同士のケンカに、親はどこまで口をはさんだらいいのでしょうか
こうしたら変わりました
これは悩むところですよね。私も、同じように心配したことがあります。 子どもがしょんぼりしていたり、気持ちが傷ついていたりするのを見て、親として「何とかしてあげたい・・・」という気持ちになりました。
子どもが成人した今、思うのは、「どんなに年齢が小さくても、子どもには子どもの世界があった」ということです。 というのも、あるときから、子どもの気持ちに寄り添って子どもが話したいことを聞くということを心がけたからです。
子どもが十分話したあとに、「お母さんが何かできることはある?」と聞くと、子どもも本音を話してくれました。 私が勝手に「こうすればいいのに、ああすればいいのに」と悩んでいたときには思いもつかないことで、子どもなりに一生懸命考えているとわかると、 余計な心配をしなく済むようになりました。 子どもの意思や子どもの世界も尊重しやすくなりました。よかったら試してみてください。
一見マイナスに思えることも、学びのチャンス
友だちとケンカしているとき、子ども自身は、誰かに自分の気持ちを理解してほしいと思っているのではないでしょうか。
だから、私の場合には、子どもが息詰まっているときには、まず話を聞くことにしています。
そして、子どもの話を「そう思っているんだね」と、ひたすら共感しながら聞いた後で、「どうなったらいいのかな?」
「何かできることあるかな?」などと、子ども自身が解決の道を探れるような問いかけをして、一緒に考えていきます。
もし、ひとつの方法を試してみてダメだったとしても、また「別の方法ないかな?」と考えればいい。
むしろそういう経験を繰り返すことで、問題を解決する方法はいくらでもあるということを学んでいってほしいと願っています。
子どもはケンカからも、人間関係を学んでいると思います。ケンカを絶好の学びの機会と考えてみませんか。
冷静に話を聞くために
子どものケンカに口を挟みたくなる気持ち、わかります。 親は子どもの一番の理解者として、子どもの話に耳を傾けることが大事、そうわかっていても、できないときもありますよね。 私自身、子どもが心配で冷静になれないときがありました。 そんなときにハートフルコミュニケーションで、「子どもの問題と自分の問題を切り離して考える」ということを学んで、随分と楽になりました。
友だちとのケンカは、子どもの問題。そして、そのことへの心配は、私の問題。 私の心配を解消するために子どもの問題に介入してしても、子どもにとっては解決にはならないことがわかったからです。
それからは、①ケンカも、子どもが人との関係を学ぶチャンス ②子ども自身が問題解決の力をつけるために必要な事、と肝に銘じることで、冷静に子どもの話を聞けるようになりました。
情報収集のアンテナを張る
子どものケンカ、私も気になります。でも私は、ケンカには介入しないことにしています。
なぜなら親が入ると、自分の子どもを守ってしまったり、逆に自分の子どもを必要以上に責めたりと、なかなか公平ではいられないからです。
でも、アンテナは張り続けます。そして子どもひとりでは解決できないことがわかったら、何ができるかを一緒に考えたり、誰かに相談しています。
ただ、自分ひとりのアンテナでは、キャッチできる情報に限りがありますし、偏りもありますよね。 私も、クラスが一緒のお友だちのお母さんに声をかけてもらってから、学校の様子などをそのお母さんからも知ることができるようになって、随分助かったという経験があります。
普段から、子どもの友だちの親と顔見知りになるようにして、気軽にお話ができる関係を作っておくというのも大切かもしれませんね。
問題を見極めるために、観察する
私もまず、子どもの言い分や話を、ていねいに共感しながら聞きます。でも、あくまで子どもの話は、話半分で。 そのまま鵜呑みにして信じないようにしています。 なぜなら、子どもは自分の視点でしか語らないし、都合の悪いことは言わないこともあるからです。
そして基本的には、子ども自身が解決できるようにその手助けをするように努めています。 一番気をつけているのは、子どもの代わりに相手の子に謝らないことです。
ただし、ケンカの内容がクラス全体に関わることだったり、複数のお友達が関係していることだったら、担任の先生に事実を確かめたり、周囲に相談することもあります。 ストレスから食欲や睡眠など健康状態に影響が出てくるようになったら、ためらわずに学校の先生や第三者にご相談する必要があるかもしれません。 その見極めをつけるためにも、子どもの様子をよく観察するということが大事なのだと思います。
学童期のケンカは多くの場合、親はその現場にはいません。 また現実問題として、最初はたわいもない小競り合いだったのが、適切な対応がなかったためにいじめにまで進んでしまったという話も聞きます。 それだけに心配が募ったり、憶測や想像を元に介入したくなることもあるでしょう。
あるいは逆に、「うちの子に限って」と事実を受け入れられないこともあるかもしれません。 だからこそ、親が冷静でいることが、これまで以上に大事になるのです!
ケンカは「子どもの世界」で起こったこと、子どもの問題は子どもが解決できるという基本を忘れずに、”観察”や”聞く”ことを意識して、子どもと接してみてください。 そうすれば、「今は見守る時」「今は助けが必要な時」と判断できて、柔軟に対応していくことができるでしょう。