6歳の息子が泣き虫で困ります。どうしたら強い子に育つでしょう。
ご飯の時に米粒を落として泣き、食事が中断する。散歩中捕まえようとした虫に逃げられ泣き、散歩終了。 噛まずになめようと思っていた飴をうっかり噛んで号泣。泣きどころが浅すぎて困ります。どうしたら強い子に育つでしょう。
だんだん強くなっていくらしい
我が家にも泣き虫の小一男子がいます。何か少し意に沿わないことがあるとき、たとえば、夢中で遊んでいて新しい靴を汚したとか、拾っておいたはずのきれいな枝をどこかに落としてきたとかいう時に、目に大粒の涙をためて、しばらくメソメソしています。私自身は大雑把な性質なので、正直、うっとうしいなあ、早く切り替えなよ、と感じることが多いです。ただ、思い返してみると、去年やおととしに比べれば、これでもずいぶん強くなってきているのです。たとえば4歳の頃には、クリームサンドのビスケットを、きれいにはがして食べようとして、剥がせずに割れて大泣きしていました。今でも剥がして食べようとしていますが、割れても特に泣きません。うまくいかないこともあるということ、おやつのチャンスは明日もあって、何度も挑戦できるということが分かったようです。見通しをつける能力が育つと、泣き方も変わってくるのではないでしょうか。靴のこともそのうち、新しい靴もすぐ汚れることや、洗えば泥が落ちることを理解すれば、泣かなくなっていくのでしょう。 こんなことで泣いていて大丈夫なの? と思う時もありますが、そんな時は自分の周囲の大人たちの姿を思い浮かべ、「大人になれば、木の枝をなくして泣くこともないだろうから、この人も、この十年ぐらいのうちに泣かなくなるのだろう」と思うようにしています。
気持ちを切り替えるきっかけを
息子さんの泣きどころエピソードを読ませていただきながら、「まあ、なんて可愛いの!」とキュンとしてしまいました。 こんな風にしよう!とせっかく思っていたのにイメージ通りに行かなくて、がっかりの感情が涙になって溢れてしまうのでしょうね。一方で、食事の中断やお散歩がその時点で終了になってしまうのは、残念だし周りも困りますよね。そんな時は、先ず「残念だったね〜」「あぁ、こんな風にしようと思ってたんだね~」と、子どものがっかりした気持ちを受けとめてあげてください。その後に例えば、“今日はご飯の後に苺のデザートがあるんだよ。先に、ご飯を済ませてしまわない?"とか、"お散歩はここでもうおしまい?先のドラッグストアでお買い物があるのだけど・・・一緒に行ってくれる?"などと、先の楽しみや周りの人が困っているのかも・・・をイメージ出来ると気持ちを切り替えるきっかけになるのかもしれないと、思いました。きっと、この先学校など家庭以外の集団生活を続けるなかで、いつまでも泣いてはいられない状況に直面したり、自分の感情をコントロールせざるを得ない経験を重ねるなかで、お子さんのペースで自然と強くなってくれると信じています。
泣くことのメリット
ご相談の内容から、とても繊細で感受性が強いお子さんのように感じました。大人の目線では、こんなこと位と思っていることでも子どもにとっては大問題ということはよくありますよね。親としてもう少し強くなってほしいというお気持ちもよく分かります。でも泣いて困るのはだれでしょうか?本人が困れば、やめると思いますよ。 我が家の子ども達、息子は自分の思い通りにならなくて悔しいとき泣いていました。 娘は自分に注目して欲しいときや、けんかなどで不利なとき、痛くなくてもよく泣きます。私は、それは彼らの主張だと理解しています。泣けば、自分の思い通りになることが多かったとか、泣けば、周りの人からやさしくしてもらえると学んだら、子どもはそのまま続けますよね。でも、泣いても思い通りにならないこと、泣いても有利にならないことを学んだら泣く回数は減りました。お子さんにとって泣くことでいいことがあるのかもしれません。泣くことで不安を解消しているのかもしれません。その子に寄り添いながら、長い目でみてあげるのはいかがでしょうか?可愛いなぁ。そんなこともあったなぁ。なんて思い返せる日が来るまで、私はそのままでいいと思いますよ。
コツコツ貯金
「泣きどころが浅い」と笑い(ごめんなさい)に転化されるとは…ママの懐の深さに恐れ入ります。 悔し泣きは、「できるはず」と自分を信頼している証拠。物のせいにも他人のせいにせず、自分にベクトルを向けていることが素晴らしいと思いました。大人でもなかなか自分(自分のやり方)が悪いと認められないものです。そのような素直な気持ちは、成長する上で大きなカギになりますよ。些細な事にも「できなかった(泣)→できた!(嬉)」と意識する。お子さんの中で、小さな達成感を貯金していると考えてみませんか。また、くやしい気持ちや悲しい気持ちに敏感ならば、同じく涙するお友達の気持ちを理解することができます。他人に気遣いのできる優しい大人になっていくのではないでしょうか。 さて、改めてどんなときに人は泣くのだろうと考えてみました。淋しいときや悲しいときはもちろん、嬉しいときや怒ったときにも涙が出ます。痛みに泣くときは、苦痛を和らげるホルモンが体に自動的に放出されるそうです。泣くことは、心身の痛みを緩和し整える効果があるのですね。泣くことは弱いことで「恥」とされがちですが(特に男子)、感情を出すことをためらってほしくないと思います。これは何泣き?とお子さんの涙の意味を一緒に紐解いていきましょう。どうぞこれからもその深い懐で、お子さんを丸ごと受け止めてあげてください。お子さんの「浅い」コツコツ貯金。いずれは大きな財産になることと思います。 ママは利息(想い出)をこっそり受け取り、来る思春期の支えになりますように(笑)
成長の種
『こんなふうにしたい』と、ある程度目標を持って取り組んでいたことがうまくできず、「あーあ。。」とガッカリしたり、心が折れそうになったりすること、大人でもありますよね。お子さんは、日々ただなんとなく過ごしているのではなくて、いろいろなことに、『こうしたい』という自分の思いをしっかり持っておられるのだなぁ、と思いました。私が興味深いのは、お子さんの泣いた後のことです。例えば、米粒を落として泣いた後、今度は落とさないように気を付けて食べるようになったり、虫に逃げられた次の日は、虫に逃げられないよう、違ったやり方で虫を捕まえようとされたりしていませんか?もしも、毎回同じようなことを繰り返して、毎回同じように泣いておられるのであれば、また違った関わりが必要かもしれません。けれども、泣くくらい悔しかったり、残念だったことを経験したことで、「次はこうやってみよう」という行動に繋がっているとしたら、お子さんの創意工夫する力や、あきらめずに挑戦する力が伸びておられるのではないでしょうか。挑戦と失敗を繰り返しながら、子どもが成長していく姿をそばで見守っていられる時期は、過ぎてみればあっという間だったりします。 ついつい泣いてしまうような出来事は、お子さんの成長の種のようなもの。忙しい生活の中では、ゆとりを持ってつきあってあげることが難しい時もあるかもしれませんが、1つひとつ花開いていく様子を楽しみに見守っていけるのは、親の特権だと思います^^。お子さんは、どんな風に成長していかれるでしょうか。私も楽しみです。
お子さんの繊細な気質がすぐ涙につながっているのかもしれません。泣くことで親や周りが自分に注目してくれたり、それは残念だったね~と共感しかまってもらえるなど、お子さんにとって『何か良いこと』があるのかもしれません。でも、お子さんのように自分自身へ期待出来るのは自己肯定感がしっかりと育っているからだと思います。いちいちお付き合いする側の親としては、少々面倒くさいなぁと感じられることもあるかと思いますが、お子さんの「うぇ~ン(泣)」が始まったら、それを心の中で「ママ、大好きだよ~ん」と変換してみてください。そして、ご飯の時に米粒を落としても泣かなかった時にはぜひ、「今日は泣かずにご飯粒を拾えたね!」と一緒に成長を喜んでください。 あと数年のうちにはこんな姿も見られなくなるのかな・・・と、現在の泣き虫期を味わってみることをおススメします。