友達とケンカした時に謝ることができません
保育園で担任の先生から「ケンカした時に謝ることができない」とよく言われて困っています。 家でも同じで、私は「ありがとう」が言えないのが気になります。注意すると、ムスッとして別の部屋に行ってしまいます。 来年には小学校へ上がります。「ごめんなさい」「ありがとう」が言える子になって欲しいのですがどうしたらいいのでしょう。
「信じて見守って」のサインかも
「ありがとう」「ごめんなさい」が言える子に育って欲しいですよね。私も子どもに対して同じ気持ちを持っています。同時に、私は、注意される子どもの気持ちもよく分かります。それは、私が小さかった頃、親戚が集まった時には必ず、父から「挨拶をしなさい」と指示があり、「挨拶はしたのか」とチェックされていたからです。タイミングが遅いと、父から「挨拶しなさい」と言われました。仮に、挨拶をしたとしても、その場に父がいなければ、結局「挨拶はしたのか」と聞かれて、挨拶をしたのに叱られた気分になりました。「私って、信用されていないんだ」とがっかりすることが多かったように思います。 あの時、この子はちゃんと挨拶が出来る子だと、何も言わずに信じて見守って欲しかったです。お子さんが注意されてムッとしてしまう理由は他にもあるかもしれませんが、「ぼく、ちゃんと出来るから任せて欲しい」というサインかもしれません。
気質によるかもしれません
私も娘が幼い頃、よく同じことを思っていました。姉弟げんかのあと、親の目からみてあきらかに娘に非があるときでも謝ることができないことがありました。そして決まって別の部屋に行き、隅の方で座っていました。そんな娘をみて、なぜ謝れないのだろうと何度思ったことか。私の場合は数年後にハートフルコミュニケーションで『気質』について学んだことで、娘のことが理解できるようになりました。娘の気質は、自分の気持ちをすぐに表に出すのが難しいこと。でも相手の気持ちは敏感に感じ取ることができること。そして別の部屋に行ってしまっても、必ずこちらから迎えに行ってゆっくりと話を聞いた方が良いことなどです。それからはこちらも「あぁ、こうなんだな」と理解して待てるようになり、じっくり話を聞けば娘もきちんと思いを伝えたり謝ったりすることができるんだと私自身が気づけるようになりました。 思春期の今でも、衝突した際はしばらくたってから必ず部屋をのぞきに行って話をするようにしています。
きっと何か理由がある
なんだか私がお子さんの気持ちになりました。私には弟と妹がいます。妹とは5歳離れていてよく姉妹喧嘩をしました。だいたい妹のわがままが原因だったのですが、妹が泣くといつも一方的に親に怒られて謝るように言われて納得できませんでした。毎回同じ流れになるので、私は適当にあやまるようになり、妹の面倒を見るのが嫌になってしまいました。小2のとき、友人の家に遊びに行くと、友人の弟がささいなことで癇癪を起して大泣き。友人がお母さんを呼ぶと、お母さんは怒らず二人の話をそれぞれじっくり聞いていました。お母さんが静かに話すと弟も泣き止んで、きょうだい喧嘩が終わりました。私は自分の家とあまりにも違うのでびっくりして、すごい、話をちゃんと聞いてもらえてうらやましい!って思ったことを覚えています。お子さんが謝らないことにもきっと何か理由があるかなと思います。息子さんが落ち着いてる時に聞いてみてはいかがでしょう。納得しないと心から謝れないし、あきらめて投げやりになってしまいます。 お子さんの言い分じっくり聞いていくと変わっていくかもしれないなと思いました。
ご自分との違いに目をむけてみては?
息子の謝らない問題、私も苦労しました。我が家の次男も「ごめんなさい」が言えませんでした。それは彼に揺るぎない正義があったから。私は息子とは違い、険悪な雰囲気になるなら多少の正義は曲げても謝って平和に過ごしたいタイプです。ハートフルコミュニケーションで子育てやエニアグラムを学んでそんなタイプの違いに気づくまでは、息子には言葉として「ごめんなさい」を言わせたいと思っていました。保育園の先生から言われることをプレッシャーに感じ、周りの園児と問題なくやってほしいと願い、ごめんなさいを言えば済むじゃないの!と思っていのです。我が家の場合は、私の平和主義が息子の謝らない問題を大きくしていました。タイプの違いを知ってからは私が変わりました。言い分はどうであれ、まずは息子の味方になるようにしたのです。それからは息子も変わっていったように思います。 まずは自分を知ること、私にとってはこれが、謝らない問題を紐解く糸口になったと思います。
子どもにも小さいながら主義主張があったり、言いたいけど言葉にならないことがあったりします。大人はそんな子どもの気持ちにお構いなく、大人の論理でけんかの後は「ごめんなさい」で平和に終了しようとします。ところが自分の意思に反して「ごめんなさい」を求められた子どもの気持ちは、平和どころか自分が理解されなかった、裏切られたとさえ思うかもしれません。なぜ「ごめんなさい」が言えないかはそれぞれの気質によって違います。子どもの気質がわかれば、どう対応すればいいのかもわかります。
まずはごめんなさいを言わせることより、お子さん自身に目を向けてみてはいかがでしょうか。そして、とにかく「ごめんなさい」を言わせたいご自分に目を向けてみてはいかがでしょうか。
親の気質と子どもの気質がわかれば、その違いも理解できます。お子さんへの対応のヒントも満載です。エニアグラム