兄弟で喧嘩ばかり
5歳と3歳の男子。仲良く過ごしてほしいのに、毎日、喧嘩ばかりしています。 おもちゃの貸し借り、おやつの量、テレビのチャンネル、足がぶつかったなど、些細なきっかけから「バカヤロー!」「死ね!」と口汚くののしったり、殴り合ったり。 どこでどう仲裁したらよいのかわかりません。
私はこうしました
兄弟げんかは頭痛いですよね。 うちは3歳違いの姉と弟ですが、口の達者な姉が口撃し、力の強い弟の手が出て足が出て、2人とも大泣き・・・のパターンで、 「どうしてこんなに仲が悪いのかしら」とこちらも泣きたくなる気分でした。 それでいてふと見ると、あっさりともう泣き止んで、二人で遊んでいたりするんですよね。 普通の友達なら、もう少し根に持ったり、あとをひいたりするところですが、ほんとうに「兄弟ゲンカって不思議だなあ」と思いました。
そこで基本的に、怪我をしそうな場合か、あまりに一方的になった場合以外は、口出しは控えるようにしました。 「言い過ぎれば、相手は怒る、自分も痛い目を見る」ということを姉は学び、「社会では理不尽なことを言われることもある」ことを弟は学んだと思います。
子どもにとっては遊びのひとつ!?
私の子ども3人も、毎日毎日喧嘩して、仲良くなってはまた喧嘩して、まるで遊びのひとつのようです。 私の場合は、どちらか一方が喧嘩をする気がなくなったのに、一方がやり続けていたら、やめさせます。 どちらもやる気満々のときは見ています。私の基準はそれです。そうしていられるのは、ケンカの後のすっきりした感じとか、何でもぶつけ合える相手がいていいねと思えるからです。 兄弟喧嘩を見ていられる肝っ玉母さんっていいな、とも思っています。
一番は子どものケンカに慣れることかもしれませんが、喧嘩による良い面、たとえばすぐに元の仲良しにもどれるといったところなどにも目を向けると、 今の気持ちが少し楽になるかもしれませんね。
中立の立場で見守る
この頃の子どもたち、兄弟喧嘩ばかりなんですよね…。あなたの苦労が目に浮かびます。本当にお疲れさまです。
我が家も3人兄弟でケンカ、ケンカの毎日だった時期があったのですが、そのとき、「ケンカをしながら人付き合いを学ぶ」という話を聞きました。
そこで、「死ね!」など私が聞くに耐えない言葉を発したとき、殴り合いなどが始まって身に危険が感じられそうなときは、
「はいはい、そこまで。もう終わりにしましょう」と途中でやめさせて、あとは見守ることにしました。
すぐに仲裁することもなく、どちらの味方につくでもなく、始まったら何がおこっているかを確認できるぐらいの離れた距離で。
実際、我が家の子ども達も、小、中、高と経て、これまで友達とたくさんケンカもしたけど、仲直りもすぐできたので、 「あ~兄弟喧嘩で鍛えられてきたな」と実感しています。
悔しさを受け止める
私も基本、「見守る派」ですが、悔しくて私のところに泣きついてきた子には「悔しいよね~」とその子の気持ちを受け入れる、 ということを心がけていました。
ちなみに私自身も3歳下の弟がいて、兄弟ゲンカももちろんよくしていましたが、母に「お姉ちゃんだから、弟に優しくしてあげなさい」 「世界でたった2人の姉弟なんだから、仲良くしなさい」と言われるのが、とても嫌だったことを今も覚えています。
違う視点からアプローチ
私の子どもたちも、しょっちゅうケンカをしていました。 何度も仲裁に入りましたが、子どもたちがカーッとなっている時に「やめなさいっ!!」と言っても、ちっとも効かないんですよね。 それどころか、親が子どものケンカの土俵に上がったようになって、かえってややこしくなったりして。
そこに気付いてからは、違う視点からアプローチして子どもたちの気分を変えるようにしました。
たとえば、「あ、シュークリーム食べない?」とか、「ちょっと〇〇ちゃん家に行くから、ついて来てくれる?」など。 また、当時、うさぎを飼っていて、そのウサギが 一度、ケンカの時に、「うるさいっ」って感じで、足を「たんたん!」って踏み鳴らしたことがありました。 おかしくて思わず子どもたちと笑っちゃって、それからは、私が「あ~、もう~、たんたん!!!!!!」ってウサギの真似をすると ケンカを止めたことが何度もありました。 そうはいっても、結局は怒って強制終了させたことも多かったですけどね。 あの頃は体力があったのですね~(笑)。
兄弟の気持ちを代弁する
私がした兄弟仲良し作戦は、兄、弟それぞれに、彼らがお互いのことをどんなに大切に思っているかを、私が間に入って伝えたことです。
例えば兄には、「この間ね、お兄ちゃんがいなかったから、〇〇がなんだか元気なくて寂しそうだったよ。 普段生意気でも、やっぱり兄ちゃんが大好きなんだね。いつも、いろいろがまんして遊んでくれてありがとう。お母さん助かるよ」とか、 弟には、「兄ちゃんは、○○の事が大好きなんだよ。この間もね、ママがカレー作ってたら『今日はお兄ちゃんの好きなカレーだね~。 きっとお兄ちゃん、喜ぶね~』って、うれしそうだったよ」などと、折りに触れてお互いがどれだけ相手を大事に思っているかがわかることを、 意識して個々に伝え続けました。
もちろん、2人が仲良くしている時や助け合って何かをした時は、私のとても嬉しい気持ちを100倍位に膨らませて彼らに伝えました(母は名女優!)。
上の子を尊重する
私も上の子が6~7歳、下の子が2歳そこそこの頃は、毎日が喧嘩の仲裁に明け暮れていました。 2歳ではまだ自分の物と人の物の区別がつかないうえに、目に付くものは何でも触らないと気が済まない性質なので、いつも上の子に泣かされていました。 私もどうしてよいか解らないまま兄ばかり叱っていて、すると兄は腹いせにまた妹を泣かす‥の繰り返し。
そんなとき、ハートフルコミュニケーションの講座で「下の子よりも上の子を立てる」ことを聞きました。 上の子の言い分をとにかくよく聞くことが、下の子を大切に思う気持ちを育てると言われて、藁にもすがる思いで即実行してみました。
やり方としては、まず泣かされている下の子を抱き、そっぽを向いている上の子に何があったのかを聞きました。
その時できるだけ、そうだったんた、大変だったね~という相づちをうちました。
すると今までずっと「自分は悪くない」と言い張っていたのに、「ぶって悪かった」と謝るようになってきました。
私が上の子の話を否定せずにひたすら聞いたことで、自分のしたことを振り返るきっかけになったんだと思います。
また、おやつは上の子の分を少し多くするなど、いろいろな場面で兄弟の“差別”ではなく“区別”をしました。 同時に下の子には、「〇〇は何でもできてすごいね~」とか、「あなたが困ったとき助けてくれて、優しいね~」などと、洗脳(!?)しました。 すると少しずつですが本当に、兄は妹を、妹は兄を大切に思うようになっていきました。
私自身も、ケンカの仲裁はよっぽどでないかぎりしないようにしました。そのまま見守るようにしたら、不思議と収まるんですよね。
喧嘩自体、動物でいえばじゃれあいなのでしょうか。
今では上の子の方が下の子を気遣い、私と二人で出掛けた時は下の子のお土産を買っていくまでになっています(支払いは私ですが)。
兄弟喧嘩を止めたいと思う理由は、二通りあります。 ひとつは、子どもたちの身に害が及びそうな場合。 もうひとつは、親が辛い場合です。前者であれば、毅然とした態度で止めて、兄弟のどちらにも怪我をしてほしくないことを伝えましょう。 後者の場合は、喧嘩をしながら子どもたちが得ているものがあることに、まず目を向けてみませんか。 幼いころの兄弟喧嘩で得た学びは、その後、子どもたちが集団生活を送るようになってからも、きっと役立つはずです。
それでも見守るのが辛い時は、「お母さん/お父さんは、あなたたちのケンカを見ているのが辛い」と、 あなたの気持ちを素直に子どもたちに打ち明けることをおすすめします。 なぜ辛いのかも言い添えて。親から愛されているという確かな感覚が、強張った兄弟の心を解していくでしょう。