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学生を対象とした講演 2008年10月30日(木)/早稲田大学

2008年10月30日(木)に早稲田大学で、学生たちを対象としたハートフルコミュニケーションの講演が初めて行われました。

生涯教育を研究する早稲田大学教育学部の小林敦子教授のゼミが、菅原裕子を講師としてお招きくださったのです。

ゼミの教室には男女ほぼ同数の学生が20名ほど。菅原が前に立つと、すかさず「待ってました!」の声が掛かりました。毎年秋に開かれるゼミの研究発表会の今年のテーマが「自己肯定感」で、学生たちは自己肯定感について様々なことを調べるうちに『子どもの心のコーチング』と出会い、著者と直接接するこの日を心待ちにしていたそうです。

歓迎の声に応えるように菅原は、「まだ親ではないみなさんにどんな話ができるだろうと考えました。今日の講演を聞くうちに自分の親を思い起こすこともあるかもしれませんが、ぜひ、教育学部の学生として、しばらく先に親になる人として、聞いてください」と前置きしてから、いつものようにハートフルコミュニケーションを伝え始めました。

もともとは子どもをサポートする大人向けのメッセージではありますが、どの学生もいずれは自分のこととなる話として、たいへん熱心に耳を傾けていました。講演の後半で親子になりきってコミュニケーションのワークをするときも、ペアを組む際こそ「おまえとかよ!」「えー、キモイ~」などと照れる声が教室のそこここで上がっていましたが、いざ親となり子となってやりとりを始めると、大人対象の講演では聞けないようなリアルな言葉も飛び出していました。大人向けの講演とは違った場面で笑いが起こったり、大人は「ありがちなこと」として受け止める子どもとの様子を意外なこととして受け止めるなど、学生という立場ならではの反応も見られた、たいへん有意義な時間でした。

最後の質疑応答の時間では、「友だちなどの影響で、してはいけないことを"かっこいいこと"と思い違いしている子どもへの対応は?」「テストの点がひどいのに『おれはそれでいいんだ』と言って問題と捉えない子は、自己肯定感が高いのですか?」といった質問が次々と飛びました。

「幼少期に子どもの自己肯定感を育てる必要性はよくわかりました。ですが、小学校に入るまでに親から十分愛されなかった子どもの自己肯定感は、どう高められるのでしょう?」という質問をした学生はその場でのやりとりの後、このように話を結びました。

「たまたま生まれて初めて入るコミュニティが家族。親に愛されれば、それはもちろんいいけれど、もしそれが適わなくても、誰かがその子を愛すれば、それが学校の先生でも友人でも自己肯定感は高められるのですね」

2009年もまた、10月29日に小林ゼミに招かれて講演し、学生たちと活発なやりとりを行いました。

講演の内容についての質問だけでなく、人生の先輩として・職業人としてのアドバイスを求める声も多く、将来を見据えた学生たちの姿勢からも多くの学びを得ました。